えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

モーニング娘。 2014年春ツアー Evolution :全体として

コンサートは1年に1枚は新規のフルアルバムを出してその収録曲を加えてセットリストが構成されるのが理想ではあるのでしょうが、アルバムリリースが『The BEST! Updated モーニング娘。』、『カップリングコレクション2』と新規曲がないもので続いたために、今回のツアーで新たに加わるのは最新シングル2枚という事になります。しかも「5枚連続1位!」の謳い文句を支えるここ最近のシングルは外すわけにはいかないので、セットリストの自由度が極めて低いコンサートであったとは思います。それでも最新シングル2枚の収録曲の出来が良かったのでまだ救われた感はありますよね(特に『トキソラ』はこれまでのシングル群と曲調も変わって新鮮だったし)。前提条件的に、はなから新鮮味が足りないとわかっている中で、新曲は良い牽引力になってくれていました。


ただ、新鮮味が足りないのが事前にわかっていたからこそ、もう少し各曲の見せ方に工夫は欲しかったところ。コンサートは前半、中盤、カップリング曲群、終盤、アンコール明けと大きく5つのブロックに分かれているんですけど、各ブロック内で楽曲の扱いが並列なんですよね。これまでのツアーでの「さゆのソロ」とか「9・10・11期だけで歌う『IWISH』」などのように明瞭に意味づけされたパートがないせいで、メリハリなく漫然と演目が続いていた印象でした。それが顕著に表れていたのがOne・Two・Threeで、これまでだったらこの曲のイントロで会場から湧いていた「おぉ…っ」という歓声が聞こえなくなってたんですよね。要するにこれは『One・Two・Three』ならではの特別感が薄れてセットリストの中に埋もれていたって事なんです(※)。各曲の意味がなければどうしても平坦になってしまいます。


そういう意味では石田さんの煽りで始まる『HOW DO YOU LIKE JAPAN』なんかは「ここまでだーいしがフィーチャーされるなんて!」という意外性もあったし、フクちゃんの「あなただけに…」というMCを導入部とする『Only You』も思わず「高橋パートの継承が〜〜」と特別な意味合いを見出したくなるくらいもったいぶってて良かった。前半のその2つの見せ方が上手くて期待値が高まっただけに、コンサートとしては後半の平坦さがより気になったのかもしれません。


ただ、私は新鮮味がないからとやるべき王道を外して奇策に走るのには反対で、「変化球よりは新鮮味がなくても王道ストレートを」とも思っています。なのでいろいろ書きましたが今回のツアーは概ね満足しているんですよ。既にフリが入った曲ばかりで、準備に時間をかけてないことは確かだと思うんですけどね。



全体として新鮮味を出せないのであれば、お題の「エヴォリューション」はメンバー個々に焦点を当てる事になるわけですが、歌パートが少ないメンバーだと、そろえる事を主眼としたフォーメーションダンスの中では個々の進化は見えにくいというのも難点でしょうか。生田の身体機能の高さとかは、『HOW DO YOU LIKE JAPAN』みたいなラフな時間が多い曲の方が映える気がしました。


(※)『One・Two・Three』>あれならどこかブロックの先頭に持って来て、「新生モーニング娘。はここから始まった」的な意味でもったいぶって歌い始めれば、この曲固有の特別感をもっと煽れて、セットリスト中でのアクセントになったんじゃないかと思います。あるいは久しぶりにあの当時のオリジナル衣裳で歌ってみるとかね。最近ファンになって、当時の映像をYouTubeでしか見てなかった人には最高のファンサービスになったんじゃないかな。

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