えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『それでもボクはやってない』

封切当時話題となっていた周防正行の監督作品をTVで見ました。痴漢冤罪を題材とし、とにかく一端逮捕されたが最後、容疑を認めるまで何ケ月も拘留する人質司法、一方的・恣意的な取調べ、苦痛極まりない留置所での共同生活、蓄積する疲労、土足で踏み荒らされるプライバシー、しかもその果てに待っているのが有罪率97%の偏向した裁判・・・。とにかくいつ自分の身に降りかかってもおかしくない身近な問題だけに、ある意味これまで見たどんなホラー映画よりもリアルに怖かったです。見ている間ずっと胃が重かったのですが、テンポも見せ方も抜群に巧くて、最後まで引き込まれて見てしまいました。


痴漢冤罪というテーマから浮き彫りにされる日本の司法制度が抱える問題も考えさせられるのですが、やはり思うのはもっと身近なこと、この災厄が我が身に降りかかった時に自分はどう対処すべきかということでした。裁判で真実が明らかになるのであれば、自分の名誉のために戦い続けるのは立派な態度でしょう。しかし裁判の場で社会正義が期待できないとなると、それは本当にただの徒労でしかありません。しかも何ケ月も拘留されれば大概の人は職を失います。こちらの言うことを一切聴かず、ただただ相手から一方的に決め付けられる取調べ空間というのは、「話し合いで物事を解決できる」・「自分が正しければ相手を説得できる」と信じているような、普段弁が立つ人間にこそ辛いものだということも予想できます。他人と密接した集団生活を含め、私のような人間にこそ耐えられないものでしょう。最近では痴漢冤罪が話題となることも多く、こうした状況は改善されつつあると聞きます。話を聴いてもらえるようでしたら希望もあるでしょう。しかし、担当の刑事や裁判官が旧態然とした人物であった場合は・・・・・・


今のところ私が出した結論は、「とにかく早く拘留所から出られる道を選ぶ」というものでした。あらゆる憤りを抑え、あらゆる屈辱を受け入れて、それを選ぶ。そしてさっさと忘れる。


そういう事態になった時に私の無実を心から信じてくれるであろう友人がパッと数人思い浮かびます。職場の人間も幾人かは信じてくれるでしょう。そしてここを読んでくださっている読者の方々の中にも「いくらTKでもそこまで人間落ちてないでしょw」と考えて下さる方がいると願っています。私の名誉はそういった人達の間でさえ守られていればいい。ズルい大人と失望されるかもしれませんが、私が出した結論はそういったものでした。


まぁ、これまでもわざわざ女性の近くに乗ることはなかったし、大概本を読んでて手が塞がっているから大丈夫でしょうけど、これからは絶対に痴漢に間違われないよう、自己防衛策として一層気をつけようと心に誓った次第でした。



PS
それでも巻き込まれてしまった時のためにというサイトを見たのですが、これもここによると法的に怪しい部分が多いようなのでハッタリ程度にしか役に立たなさそう。下手すりゃ「なんでそんなことに詳しいんだ?」って逆効果か!? どうすりゃいいのよ! やっぱり未然防止するしかないみたい。でも防止どころか守屋駅事件みたいにその場にいてもいないのに冤罪逮捕される例まであるしなぁ。