えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

モーニング娘。誕生20周年記念コンサート2017秋 We are MORNING MUSUME。

座間の2日目の夜公演に入り、「20周年記念」を謳ったモーニング娘。の秋コンに行ってきました。若干セットリストなどのネタバレを含む感想です。


■上から見たよ、フォーメーションダンス
席は2階最後列という会場でも一番天国に近い席です。ただでさえ座間は客席の傾斜角がキツい会場ですので、2階最後列ともなればステージはビルの3〜4階から窓の外の公園を見下ろすような感じ。ちょうど『Mステ ウルトラFES』で多用されていたフォーメーションダンスを見せるための斜め上からのショットに近いアングルとなりました。そこから見ていて改めて感じたのは、やはりフォーメーションの移り替わりの見事さ。X、M、Vの字と陣形が歌の進行に合わせて目まぐるしく移り変わります。しかもどれも前回から変更された14人体制に最適化された形で。これは13期、14期だけじゃなくて、既存のメンバーもカッチリレッスンを積んで挑んでいるのだと伝わって来ました。元来私はあまり「上から見て〜〜」というフォーメーションダンスがあまり魅力的ではないと思っている人間ですし、その考えは今も変わりませんが、それでもこの研鑽の成果は素直に「すごい!」と感心したものでした。
(一方で奥行きなどのギリギリ具合から、さすがにこれをナルチカでやるのは無理だろうなと…)


ちなみに上から見ると長い手足で魅せるカッコイイ系のダンスはその魅力がちょっと減退して、色気のある柔らかいダンスの方が見映えがしますね。そういう意味で小田さんのダンスがかなり好みでした。




■何パターンあるの? セットリスト

いつもなら終盤の盛り上がりに使用される曲群が冒頭の数曲に入っていて、「いつものパターンじゃないぞ!」と気を引き締めました。個人的には『Zガンダム』の前期オープニングのラストシーンから後期オープニングが始まるような感じで、前のコンサートの続きで始まったような印象を受けて勝手に高まりましたw


「20周年記念」ということで(そう言えばこのツアータイトルには「モーニング娘。17」の「17」が冠されていないんですね)、過去のアルバムからセレクトされた曲が中盤に挿入されます。ただ私が見た回では1stアルバムから2曲、2ndアルバムから2曲といったセレクトだったんです。どうも他の回ではまた別のアルバム2枚からのセレクトだったらしく、これって既存14枚アルバムがあることを考えたら全部で何パターンあるんでしょう? 7パターン!? 面白い試みだとは思いましたが、正直真っ先に「ただでさえ覚える曲が多い新加入メンバーへの負担が多過ぎないか!?」と心配に(汗) ただパフォ―マンス自体は1st、2ndは好きなアルバムですし、曲のパワーもあるので、古参ヲタとして大いに盛り上がりましたね。


後半パートも何パターンかあるみたいです。ここも珍しい目の曲が多く、最近ではレギュラー入りしてなかった曲が多い構成だったかな。ただレギュラー入りしてないだけあって曲のパワーは少し大人しめの印象でした。




■毎公演くどぅーのラストコンサート
今回のコンサートでは
1・モーニング娘。20周年
2・工藤遥の最後のツアー
3・森戸さん初ツアー
といくつかお題があったかと思うんですけど、<1>は前述のアルバム曲の試みと過去を振り返るMCなどでフィーチャーされてました。そして<2>に関してもかなり満足のいく内容でした。今回はツアー千秋楽が卒コンとしてはキャパが少ない武道館ということで、落選祭りが予想され ファンの間でも不満も出ているようです。しかしとりあえず代替にはならないまでも、通常公演でもかなり「工藤ラスト」の感慨は感じられるよう、心が砕かれた構成になっていたと思います。やっぱりその中心にあるのはつんく♂さんが贈った『若いんだし』という楽曲。涙涙の別れを大仰に盛り上げるという所謂「卒業ソング」ではなく、これから旅立つ若い人の肩の荷物を少し軽くしてくれるような、メンバーに寄り添ったつんく♂さんの親心が感じられる楽曲で、この曲をラストシングルとして卒業できる工藤は幸せ者だなと、しみじみ羨ましく思いました。それではここで聴いて頂きましょう、飯田圭織さんの卒業シングル『ザ・マンパ(ry



<1>、<2>に関してはほぼ満額回答が出ているように思いましたが、それとバッティングするのか、「3・森戸さん初ツアー」に関しては、構成面にまでは組み込まれていませんでしたね。メンバーはMCで何かと触れてくれるのですが。このあたりは今回の回替わり曲数がやたら多いツアーに参加する苦労の量を思うと、もっと大々的に森戸さんをお迎えする構成でないとちょっと可哀想に感じました。新メンがあまりフィーチャーされないのは娘。の常ではありますが、森戸さんの場合かなりイレギュラーな形での、本人にも複雑な想いを抱かせての加入でしょうから、せめてここで盛大にお祝いして、彼女の苦労・心痛に報いてあげて欲しかったという気持ちはあります…。



■心で泣いている(?)リーダー
さすがに14人は多過ぎて一人一人挨拶していたら進行がダレるという判断なのか、今回は挨拶MCは回ごとの選抜メンバーで行う形式のようですね。正解だと思います。最後のMCでフクちゃんが
「先日の20周年記念イベントでは『おめでとう』なのか『ありがとう』なのかわからないって言ってたんですけど、今モーニング娘。を背負っているのは私たちですから、今なら胸を張って言えます。『ありがとう』!」(大意)
的なことを言ってたんですよ。やっぱりそれは私たちファンも言って欲しかったことだから、大いに高まりました。


本当はね、メディア取材もたくさん入ってた20周年記念イベントでそれを言うべきだったのかもしれない。目端の利く子なら、周囲の人や客が何を言って欲しがってるのかや、何を言えばウケるのか察して、そう言えたのかもしれません。だけどフクちゃんは自分の中にない言葉を言うことはできない。それをもって彼女を批判する人もいるかとは思います。だけどその分、彼女が発する言葉は、他人の中にあったものではなく、彼女自身が体感を通じてその胸に確実な実感として掴み取った言葉です。だからこそその真実性が胸に迫る。だからこそ信頼できる。そうやって確かな信頼を積み上げていく力もまたリーダーの資質だと思うのです。


そして私は、フクちゃんが「自分たちこそがモーニング娘。だ」というその自信と実感を、メディア出演でも、1回きりのイベント(※でもなく、コンサートを通じて獲得してくれたことが嬉しい。私たちファンもいるコンサートが、彼女たちが自信と誇りを得る場となっていることが嬉しい。そこにこそ、コンサートのステージ上にこそ、モーニング娘。の本道があると信じていたいので。




追記:あ、あとセトリ的な不満を一つあげると、『BRAND NEW MORNING』をやらなかったこと。次のシングルの発売が決まっているとは言っても「最新シングル」なんだしさぁ! これを含めて、「13期が新メン」の期間があまりに短かったことは残念なんだよね。もう少し2人が新メンとして推されている姿が見たかったよ・・・。



※イベントのタイミングでその実感がなかったことは仕方がない。だって直前にカントリー解体と森戸さんの加入という気持ちの落とし所が見えない意味不明な人事に巻き込まれた中で、イベントを成功させる状況にまとめ上げただけでも立派なものです。