えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『ごきげんよう』

今週は月火水の3日間、『ごきげんよう』に道重さんが出演していました。この番組はお昼のゆるめのトークバラエティということで、いつもファン的には既に知っている話しやエピソードをお茶の間向けに改めて話していることも多く、どういう風にまとめるのかという面白さもありますね。



●月曜1回目
サイコロトークの出目は「あきれてものが言えない話」。山口の凱旋コンサートの夜公演で足がつって3曲ほど出演できず、MCで「お爺ちゃん、お婆ちゃんがせっかく来てくれてるのに元気な姿を見せられなくて悔しいです」と涙ながらに語って会場の感動を呼んだのに、後から母親からお祖父ちゃんとお婆ちゃんは昼公演だけ見て家に帰ってたと聞かされたというエピソードを披露。これはエピソード自体が面白いので、特にナルシストキャラクタートークする必要もなく、普通に会場の笑いをとっていました。


●月曜2回目
サイコロトークの出目は「当たり」で、リーダーに就任して新ルールを設けたという話を披露。新ルールの一つ目は「おはようございます、道重さん。今日もカワイイですね」という挨拶をすること。二つ目は学校や家で「道重さんはいい人だ」と広めるということ。道重さんが「私は可愛いはずなのに好感度が良くないんですよ。それが本当に不思議で! だから周りから広めてもらおうと思って−−」と力説する横で、呆れ君の小堺氏が他のゲストと目配せし合ってお茶を飲むという寸劇で会場の笑いと拍手をとっていました。後で述べますが、道重さんのナルシスキャラトークは、この「呆れてスルーという演技をする」というのが一番笑いにつながる良い返しなような気がしています。


●火曜日
サイコロトークの出目は「残念な話」。11期メンバー小田さくらの加入が決定し、記者の前で発表されたことに触れる。さくらちゃんは「尊敬するメンバーは?」と聞かれて現役メンバーではないメンバーの名前を挙げたので、「現役のメンバーの立場は?」ってツッコんだら泣きそうになってしまった。そして次の日にまったく同じ質問をしたら「道重さんです」と答えて、「入ったばかりの中学2年生に気を遣わせちゃったなぁ〜」と反省しつつも「どうせなら記者の前で言ってよ」と思ったという話。



●水曜日
サイコロトークの出目は「今だからゴメンナサイ話」。健康診断で採血をしてもらったんだけど、私の顔を見るなりお医者さんが緊張し出して震える手で2・3回失敗されたという話。「きっと私が可愛かったからんでしょうね」とナルシストークする横で、小堺氏はやっぱりゲストと目配せし合ってお茶。会場の笑いをとります。最終的には「可愛過ぎてお医者さんを惑わせちゃってゴメンナサイ」→「ハハハハー、はい席替えでーす」→「早くないですか〜!」とちゃんとオチがついて終了でした。




■道重さんのナルシスキャラと笑い
さて、先に述べたように、小堺氏は「小芝居によって『呆れてスルー』している様を見せる」というリアクションで道重さんのナルシストークを笑いにつなげていました。私はこれが一番良いリアクションだと思うんですけど、この番組以外じゃなかなか成立しないんですよね。というのもこの番組ではサイコロトークによって3人のゲストそれぞれにトークする出番がちゃんと回って来ます。ゲストは自分の出番は確保されているから他の人が話している時に無理に入っていかなくてよいのです。だから他のゲストは基本的には無難な相槌を打ちつつ小堺氏の回しに同調していればいいし、小堺氏はメインMCなんだからこのように道重さんを活かす方策をとってくれます。


ところが他の多数の芸人さんが出演しているバトルロイヤル形式のバラエティー番組だと、出演者それぞれが隙をみつけてなんとかトークで前に出て、自分の爪痕を残そうとしているわけです。そしてそういう時にはより「世間に求められている自分のキャラクター像」を見せようとします。そうなると、道重さんのナルシストークに対して、はりせんぼんさんとか、あの辺の女性芸人さんは「そんなに可愛くねぇよ」的な僻みリアクションをしなければいけなくなるんですよね。他にも土田とか有吉とかいったアイドルに迎合するタイプじゃない、いわいる「辛口」が売りの芸人さんもそう。これはもちろん彼ら彼女らに悪意があるのではなく、そういうキャラクターとして番組に呼ばれているんだからそれを演じるのは当然のこと。だけどここで問題なのは、「そんなに可愛くねぇよ」を受けてさらにそれを笑いに展開させるための道重さん側の「正解のリターン」がまだみつかってないことなんです。大抵は「え〜可愛いですよぉ〜」という不満を述べてムニャムニャっと終わってしまう。そうすると道重さんも「そんなに可愛くねぇよ」と言った側もあんまり得をせずに終わってしまいがちなんです。


その点ももちこと嗣永桃子さんの場合は、その「え〜可愛いですよぉ〜!」をすごくわざとらしいブリッ子口調で言うから、その叩かれることを意に介さない我が道を征く姿を見せることで笑いを取れるし、イジられ芸として成立する。ももちに対しいかにツッコむかということで芸人さんの見せ場も作れる。共演者とWIN-WINの関係を構築できるから、非常に使い勝手がいいと思うんですよね。ただそのももち流の返し方は微妙に道重さんのキャラクターにはそぐわないでしょう。道重さんの場合はあそこまで「キャラ」としてわざとらしく作り上げるスタイルではないから。そういった意味で道重さんはお笑い芸人さんが鎬を削る「最前線」ではなく、それこそ今回の『ごきげんよう』のような、少し緩めの番組の方が彼女のキャラクターに合っている気がしますね。今回の出演も非常に楽しめました。