えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

AKB48・じゃんけん選抜


≪企画概要≫
人数が多過ぎるAKB48では、シングル曲は限られた「選抜メンバ−」が歌い、さらに限られた「メディア選抜組」だけが歌番組に出演できるというシステムでした。ファンによる人気投票でこの選抜メンバーを決めるというのが前回に行われた「選抜総選挙」だったわけです。ですが、それでは元々メディア露出があるメンバーがますます有利になって不公平だということで、一切の恣意性を排除したじゃんけんで選抜メンバーを決めてみようというのが今回の「じゃんけん選抜」なのです。予選を勝ち抜いた研修生4人を含む、52人で組み合わせ抽選が行われ、最初っから最後までじゃんけんだけで新曲の選抜と位置取りが決まる。この大会が、本日、日本武道館にて開催されました。


私は六本木ヒルズの劇場で上映されたそのリアルタイム中継で見ました。現場の興奮には及ばないでしょうが、このリアルタイム中継は会場の客席の声も大きめで拾ってくれているので、かなり近い雰囲気は感じられます。またコーラを飲んでポップコーン食べながらのんびり見られるのもなかなかに快適でしたよ。お気に入りです。



■開幕
なんせやるこたぁただのじゃんけん。だからこそ、これでもかとCGを駆使したオープニング映像だったり、大仰な煽りアナウンスだったりで、とにかく馬鹿馬鹿しいぐらい盛大にイベント態勢を整えていました。あの『料理の鉄人』をさらに誇張した仰々しさと言えばイメージしやすいでしょうか? まずは各ブロックごとに選手入場です。


「AKBに咲く野花 ツインテールの頑張り屋さん」みたいな各人のキャッチコピーと共に名前が呼び上げられ選手が登場。そこにあのK-1でお馴染みの声で名前のシャウトが入ります「スゥゥゥミレェエ  サトゥゥゥーーッ!」みたいなヤツね。要はこれ、あの『グラップラー刃牙』の地下武闘会での「選手入場っっっ!!」のノリなわけですね。そんで司会がそのメンバーの所属チーム、略歴、選抜回数、意気込みなんかを読み上げるわけです。同期対決だとか、同じ名前対決とか、対戦相手との因縁とかがあればそれもそこで紹介してくれて、対決を観るための“視点”を提供してくれます。メンバーはその間、モニターにピンで映されるわけですけども、その短い時間でちゃんと自己アピールができる者、何もしなくても不思議と絵面がもつ者、ただ緊張している者と、既に各メンバーの個性が発露していて興味深かったです。個性と言えば、ここで目立ったのはやっぱりチームBの小林香菜。ビキニの水着に浮き輪に王冠という格好で、異空間っぷりを曝け出しておりました…。頭が、おかしい…。ちなみに衣装はメンバーが好きに選んで良かったそうです。ユニット歌衣装とか、着ぐるみとか、真っ赤なドレスとか様々でそれも見所でした。



続いてジャッジとして南海キャンディーズの山ちゃんが登場。解説しておくと山ちゃんは大のAKBファンを公言しているわけですが、番組でAKBと共演する機会も多くて、ごく一部のファンからは嫉妬混じりの非難を受ける立場にあります。そんな山ちゃんがジャッジとして登場して「自分の推しメンが敗れても皆を応援してあげて下さい!」なんて言わずもがな・誰目線?な挨拶をするもんだから、ちょっとザワッとした雰囲気に。


だけど次のじゃんけん見本演技としてあのテーマソングと共にアントニオ猪木が登場すると会場は猪木コール一色に。さらに「会場を代表して気合を入れてもらいます!」と山ちゃんがビンタを受けることで、ザワッとしていた会場もいろんな意味でビシッと一つになりました。元より「アングルの中から、信仰に足る自分だけの真実を見出す」という点ではプロレスとアイドルは親和性が高いコンテンツなので、その片方の神様が登場となれば盛り上がらないわけはないのです。「1・2・3・ダーッ!」で会場を温めて頂き、いよいよじゃんけん開始です。



■試合開始
なんせ、じゃんけん。その行く末は誰にも予測できず、柏木由紀板野友美高橋みなみといった押しも押されもせぬ人気エースメンバー達も容赦なく1回戦で敗退していきます。勝った方は普通に喜んでますが、負けた方も「まぁしゃーねぇなぁー」ぐらいのテンションの人が多くて泣き崩れたりする子はいなかったと思います。


ただヘタレクィーン「さしこ」こと指原莉乃は1回戦の対戦相手が事務所の大先輩で選抜総選挙1位の大島優子とあって、始める前から涙目半泣き状態。案の定勝ってしまい「私なんかが大島さんを落としてしまい申し訳ありません」とばかりに客席に向かって土下座。ここまでしたらそのまま勝ち上がるのが定石だろって話なんだけど続く2回戦でアッサリ敗退。あぁ!ダメな子だ! ちなみにさしこが負けた瞬間にモニターに大島さんが抜かれてたんだけど明らかに「テメェコラーッ!」って怒鳴ってました。そりゃそうだわな(^^;)。まぁ、そういうところも含めて愛されているキャラなので(w 実際のところさしこ登場は渡辺VS前田戦にも劣らない歓声を集めていましたよ。


これ見守っていると、自分のメンバーに対するテンションがかなり正確に測れますね。私は一番評価しているのは板野友美ですが、一番推しているのはやっぱり河西智美のようです。見てて一番ドキドキしたし、彼女が勝った時にはガッツポーズでしたから。




■選抜決定
2回戦が終わったところで選抜16名が決定。私としてはですね、やっぱり「普段は日陰者だけど、陽の当たる所に出したらきっと大輪の華を咲かせるに違いない!」と見込んだ子に勝ち上がって欲しいわけですよ。ところが佐藤すみれさんの1回戦突破以外、必ず私が応援する方が負けるという、疫病神みたいな状態になってました。


例えば河西智美選抜総選挙12位。メディア選抜組にはいつもギリギリ入れるんだけど、それより上を狙うには上位陣が強力過ぎて…というポジションの彼女にとってはじゃんけん選抜はチャンスなわけですよ。知名度が適度にあって、躍進が物語になる、という点で注目度は高く、声援も大きかった。なの選抜1回戦で負け。選抜総選挙12位でじゃんけん選抜は13位って一番面白味ないよ! しかもギリギリンメディア選抜落選て…。しかし勝負に臨む彼女の佇まいはなかなかに素晴らしかった。いつもはおじさんキラーの甘い声と甘えんぼキャラなのに、こう斜めに構えて、突き出した自分の拳をじっと見下ろしてるのな。屠殺を待つ豚を見下ろすような冷え切った目で。新しい魅力!


小嶋陽菜も総選挙7位→じゃんけん3位と順位を上げたものの、彼女はもう芸能界の中でタレントとしても安定しているのでドラマ性には欠けます。


今日初めて認識しましたけど「顔が好み」と応援していた中塚智実さんとか、頭のおかしい格好の小林香菜さんとか、私が「これ!」と思ったメンバーがことごとく負けていく! 知らないメンバー同士でもこっちの子が好みだなって思った子が必ず負けるというあり様(泣) 



■結果


まぁそんなこんなで、これまで選抜入りどころか、2軍であるアンダーガールズにすら選ばれたことがない内田眞由美さんが1位の座を獲得しました。おぉ…見事に顔も名前も知らねぇ…。かなり強気な性格らしいので、運だけじゃねぇんだ!ってとこをぜひ見せて欲しいですね。きっと私が知らないだけで研究生時代からの苦節の物語があったりするんでしょうから。そのへんはおいおいどこかのサイトが紹介してくれたりするでしょう。


誰が入ったかよりはむしろ「普段のメディア選抜組が少ない!」ってことの方が話題ですかね。レギュラーと言えるのはこじはる一人…。どうなんだろ。あんまり他人をひっぱていくタイプには見えないけど…。まぁ、今のAKBのステイタスなら1回のメンバー変更でどうこうなることはないでしょうが、単純に絵面がもつのかとか、そういう心配はあります。邪悪なワクワク感もありますが。




■ショータイム
じゃんけん終了後はAKB48の次の新曲である『Beginner』のPV初披露。その感想はまた後日。それに続いてAKB48の姉さんグループであるSDN48のシングル曲をステージで披露。そして最後にはAKB48の現選抜メンが登場し、『RIVER』→『ポニーテールとシュシュ』→『ヘビーローテーション』と豪華に3曲を披露。やっぱ華やかだなぁと思いつつも、「この今歌ってる選抜メンバーから4人しか選抜に出ないとかwww」という誰もが思ってたことでしょう。


でもまぁ、もうAKBは芸能界の中で盤石の地位を築いていますからね。だからこそこういう1回きりのお遊びができるのでしょう。「目立たない子にチャンスを与える」という意味では大会の主旨に添った結果となったのではないでしょうか。




■総評
とにかくイベントとして作り込んであったんで、観客としては普通に楽しめました。難点は選抜16名が決まった後の1回戦負け組の順位を決めるパートがダレたことかな。15位・16位決定戦とかどっちでもいいからね〜。見てる側は一刻も早く上位順位が誰に決まるのかが知りたいわけで。今後の課題があるとしたらそこの短縮化ですかね。


今日限りの1イベントとして見ると一人水着で目立ちまくってた小林香菜が一番の勝ち組という気もします。でも彼女は水着を着るためにダイエットをしてこの場に臨んだそうなので、それも一つの立派な戦略です。そういう隙間を感じさせる点でもおいしい存在でした。水着ってだけじゃなくて、クリクリ眼の可愛い顔がよくカメラに抜かれてたので「こんな可愛い子がいたんだ」って改めて意識した人も多かったんじゃないかな。


総選挙だけを何度繰り返しても人気メンバーの固定化は避けられないだろうから、この選抜じゃんけん大会(もしくはそれに類する偶然性の高い選抜方式)でのごちゃ混ぜになったCDリリースってのは総選挙と共に年に1回の恒例行事になっても良さそうですね。最初は冗談企画だと思ってましたが、総選挙と共に意外とAKB48を回していく両輪になり得るかもしれません。


立場が人を作るとも言いますから、選抜上位になったメンバーは遠慮なくいガッツいて、これを躍進の好機にして欲しいですね。本当はそのためにも脇で支えるメディア慣れしたメンバーがもう2・3人は欲しかったところなんですが。とにかく、じゃんけんで生み出された新しいAKBの姿を、いろんあ意味で楽しみに待ちたいと思います。


しかしこれカップリングのアンダーガールの方が確実にメンバー豪華だよなぁw