2010-06-05 読了 『崩れる』 (貫井徳郎:集英社)結婚を題材とした8つの短編集。この作者は事態が悪い方へ、嫌な感じで転がっていく筋を書くのがうまくて、『夜想』と『愚行録』はそのスキルを、あくまで一道具として「作品」を構築してるというイメージだったけど、この短編集は割とそのスキルだけで書いてるという印象でした。 だけど作者のあとがきを読んだら、初の短編ということで、作者としては「長編を書くつもりで」書いていたらしいんです。書き手の心構えと読み手の印象は必ずしも一致しないという例でした。