えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『マジすか学園』

金曜日の深夜に放送されているAKB48主演のドラマ『マジすか学園』は楽しんで見ています。もう他でさんざん書かれてるでしょうが、『スケバン刑事』とか『花のあすか組』といった80年代アイドルドラマのテイストを受け継いだノリですよね。演技も思ったより悪くない、というかあの頃のドラマと比べれば全然マシな部類ですから。
<普段は実力を隠した主人公が決めゼリフと共に変身して、毎回違う敵役と戦う>
という物語のフォーマット自体は少年マンガや時代劇での王道パターン。「アイドルがヤンキードラマ」と切り口が奇抜だからこそ、骨子は王道でいいんです。


あのダサい衣裳や舞台は80年代へのノスタルジーであると同時に、ファンタジー化の手続きでもあるのでしょう。現代風の、それなりにスタイリッシュな格好で暴力やイジメシーンをやられると、ドラマとわかってても見てるのキツいですからね。


一つ感心したのはキャラクターデザイン。やっぱりキャラクターには物語上の役割の重要度に対して適切なデザイン強度というものがあって、それがチグハグだと見ていて混乱してしまいます。例えばその点 車田正美キャラは素晴らしい。雑魚は一目見て雑魚とわかりますからな。


雑魚な人たち。これぐらいでいいんです


コレ、当たり前のようで普通のドラマじゃ実現難しいと思うんですよ。キャスティングはいろんな事務所の思惑や人気度が入り混じって決まるんだろうし、ルックスとその時点での人気度などが合致してない場合もあるから。「まだデビューしたばっかの新人だから超脇役だけど、主役よりカワイイ」ってことだってままあるわけです。その点、AKBメンバーだけで主要キャラが構成されてて、現状の人気度がほぼそのままキャラクターの重要度に反映されている『マジすか学園』だと、キャラの重要度とルックス(デザイン強度)がほぼ一致しますからね。第一話の敵でありザ・かませ犬だった指原さんなどの面々なんかは、言っちゃ悪いけど実に立派な雑魚顔をしてます。篠田真理子とかボス級の敵との格の違いが一目でわかりますから。もちろん篠田さんには毛皮を着せるなど、デザイン強度を強調することも忘れてません。


そういう意味では河西智美は本来のルックスでは「第2話の敵」としてはちょっとデザイン強度が強すぎたので、歌舞伎メイクでデザイン修正されて見事に雑魚顔化されてました。


逆にボス敵としては大島優子のルックスは軽いように思えるんだけど、そこは長身との篠田との対比であえてってことと、人気及び演技力を買われてのキャスティングなのでしょう。元々子役でも鳴らした大島さんなんで演技力は多分あの中では1・2を争うでしょう。今期出演中の連続ドラマ『エンゼルバンク』でもなるほどキラリと光るバイプレイヤーを演じています。


エンディングテーマの『桜の栞』も、例えば「ゴールデンタイムの歌番組で聴きたいか」と訊かれると答えは「NO」なんだけど、『マジすか学園』のエンディングとしては良い感じ。と言うか、ああいう機能が明確な歌は「どういう状況で聴かせるか」ってことが一番重要だから、それをこういう形で用意されたのは素直に一本とられたなって思いましたね。