えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

水樹奈々 LIVE DIAMOND

ドーム規模でのコンサートでは、いくらサブステージを駆使しても「普通のコンサートとして見るには遠過ぎる」っていう客席はどうしてもできてしまうから、「その空間にいるだけで楽しい」っていうお祭り感を盛り上げるための「ドーム用の工夫」ってものが必要になってくるんだと思う。今回だとそれは、クレーン、噴水、リリーフカー、ファイアエフェクト、昇降ステージ、撮り下ろしVTR、殺陣、和太鼓といったところか。一方で、こうした舞台演出・装置のためにコンサートとしては流れが悪くなるという面は確実にある。


今回のコンサートでは、実は水樹コンに通っている人からはネガティブ評価もチラホラ聞いたんだよね。確かに3曲歌っては大仕掛けの準備のためにちょっと間が空くというパターンの繰り返しでは、通常のコンサートのような盛り上がりの流れを期待するとガッカリする面はあったのかもしれない。


私は普通に楽しめたんだけどね。一つにはその「ドーム・コンサート」っていう部分を意識していたので、通常コンと同じ評価軸では見ていなかったということ。もう一つは4時間超の長丁場であることは事前にわかっていたので、「流れ」よりも「適度な休憩」を求めていたってことだ。そうだなぁ、ハロプロのスポーツフェスティバルを見るのに近いテンションって言うとわかりやすいかな。「そこで一日過ごして楽しむ」っていう感覚。もちろんあそこまで弛緩しきってはいないけど、そういう気楽なテンションで見たから素直に楽しめたんだと思う。


仕込み時間とか水樹さんがステージにいない時間を脳内スキップして純粋にコンサートとして見ると、一つ思ってる問題点があって、それは「ドーム・コンサート」としてのセットリストと、「初のオリコン1位を取ったアルバム『ULTIMATE DIAMOND』発売後の初めてのコンサート」としてのセットリストが一部競合していたってこと。


どうしてもあの広い会場で聴かすためには、スケール感がある曲か、逆にバラードに振り切ってしまうかしかない。例えるなら広域殲滅兵器と狙撃ライフルみたいなもんで、分隊支援火器ぐらいの曲が入れづらいんだよね。だから最新アルバムからも『Mr.Bunny!』とか『ray of change』はセットリストから漏れちゃったんだと思うんですよね。実際入れちゃった『少年』とか『Brand New Tops』はあの会場で歌うにはやっぱしスケール足りなかったと感じたし。特に『Brand New Tops』は「次は新曲で…」って引きのMCがあった後で歌うにしてはスケール足りない。JAM-Proっぽい「WOW WOW 〜」って雄叫びで始まる割にはAメロでとたんにトーンダウンしちゃって可愛らしい感じの曲になっちゃいますからね。あそこは同じアルバムから選ぶなら『Astrogation』の方が、それこそ「感情が弾け」て素直に盛り上がったと思うんだけどな。


逆に「アルバム後のコンサート」ってだけだったら、素直にアルバム1曲目の『Maria&Joker』をオープニングナンバーに持ってこれたんだろうにね。せっかく歌詞にも「Lets begin “LIVE”」ってあるのに。


『Gimmick Game』は文字通り『いきまっしょい!』みたいなセットリスト中の役割がハッキリしたギミックだと思ってたけど、結構本格的なダンスパートで十分に対ドームでも盛り上がってた。



「エッターナルブレイッ!」
固定客層も多いだろうに、基本的に客のコール的なものは既にCD音源に入ってるものに限られてた。あとは音のキメに合わせてジャンプするのとか。そういうのはどれも素直に「覚えて自分も参加したい」と思える。なんでハロプロは「愛する人はれいなだけ〜」とか「L・O・V・E〜」とか、「コイツラの仲間になりたくねぇ」と思ってしまうような気持ちの悪いコールばっかり奇形進化するんだろう。


楽しみにしてた『Take a shot 』をやってくれて高まった。スカラベさんから「よかったね」という生温かい目で見られる。


楽しみにしてた『innocent stater』はアコースティックバージョンだった。ちょっと残念。


客席が高る曲には高輝度サイリウムUOを焚くから、私のような新参でも「この曲はファンの間ではそういう扱いなんだな」とわかりやすい。ってかアナタたち何本用意して来てるの?


アンコール前の締めは『夢の続き』。このアルバム唯一の水樹さんの作詞作曲の曲。私はあんましアイドルが作詞するのって好きじゃない方。演者の自意識がドップリは出て欲しくないというか。ただ歌う前のMCで昨年亡くなった水樹さんのお父さんについて触れてて、それ聞いて思い起こせば、これはお父さんのことを書いた歌詞だったんだよね。それがわかった上で聴いて何も感じないほど私も人非人ではない。私も両親から離れて東京来てる身だしね。