えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

出会い計

先日映画を見た帰りに感想を語るべくカフェに寄ったのですが、
隣の席に座ったペアが気になって仕方がありませんでした。

女性の側は19〜23歳。
ピンクのカーディガンに
でっかいイチゴ柄で横にボリュームのあるスカート(フリル付き)
ピンクのハイソックスには側面に赤いリボンのワンポイントという
「それで電車に乗ってきたんですか?」と聞きたくなる格好でした。
脱色した頭には大きなフリルのリボンを飾り、
色白で、少しだけふくよかで、残念フェイスという、
私がドラマの配役担当ならベタ過ぎて外しかねない、
というほどキャラクターが立っていた。立ち過ぎていました。



向いに座る男性がまた良い味を出していまして
年は30代中盤〜後半、黒いスーツ姿でヒョロリと痩せ、
顔は見るからに神経質そうな鋭角的なパーツで構成されていました。
サラサラの前髪で覆ってはいるものの、
「分け入っても分け入ってもおでこ」
という感じで、唯一の心残りはメガネをかけていないことだという
ある種のキャラクター性を端的に示した外見だったのです。




私と連れが映画の感想を語りながら
全神経を隣の二人に向けていたことは言うまでもありません。
私達の頭には「出会い系」という言葉が浮かんでは消えました。

しかし同じ出会い系にしても
脂ぎった中年と現世利益にしか興味がなさそうなギャルといった組み合わせでは、
お互いが求めているものがわかりやす過ぎて情緒や奥行きに欠けます。


その点、互いに距離感を手探りで探っているかの二人からは
人生について、人と人との出会いについて、
しみじみと考えさせられる情感に溢れているのでした。


漏れ聞こえる会話からは、女性が
自身が服用しているお薬について生き生きと語っているようです。
男性がお手洗いや会計で席を立つと
彼女の手はすぐにケータイに向い、
いそいそと何かのチェックに励んでいます。
100点。あなた100点です。



あぁ、果たしてあの二人はあの後、駅方面に向かったのでしょうか。
それとも歌舞伎町のネオンに消えて行ったのでしょうか。
そういう想像の余地を残す点を含めて、
実に良いものを拝ませてもらいました。


私ももし将来「出会い系」といったものに手を出すことがあるとしたら、
どうせならああいう子に遭遇し、
しばし人生の迷路に迷ってみたりしたいものです。