13歳や14歳でデビューし、そのスター性と才能でTVメディアをたちまち席巻! ・・・そんな後藤真希や松浦亜弥の華々しい姿を成功例としてインプットされているせいか、古いハロヲタである私はアイドルの理想像としてデビューの年齢を13~15歳に設定していました。だから飯窪さんが加入した際、17歳で、先輩である9期の誰より歳上で、しかも歌もダンスも未経験と聞いて正直「大丈夫かいな?」と心配になったものです。
(実際卒業のコメントを聞く限り、彼女自身も「年齢が上なのにスキル不足」であったことには悩んだこともあったようです)
しかし彼女はそんな私の心配をよそに、話術、社交性、ファッションセンス※、オタク的多趣味と、これまでのモーニング娘。にはあまり見られなかったさまざまな方面でその才覚を発揮し、独自のポジションを獲得し、まさにグループになくてはならない唯一無二の存在となっていったと思います。スキルにおいても歌唱メン・ダンスメンと評されることこそありませんでしたが、悪目立ちすることはなく、また『Help me!!』のカップリング曲『私のでっかい花』に見られるように、ちょっと素っ頓狂な、彼女にしか出せない味わいで曲に貢献することもありました。
※ファッションセンスに関しては他にも優れたメンバーはいましたが、在籍中にWEARなどのSNSが普及しておらず発信の場がなかったので。
また本人だけの資質のみならず、彼女の資質は目上の人をサポートする時にこそその本領を発揮していたように思えます。'14時代の道重さんをサブリーダーとして支える姿なぞはまさに≪王佐の才≫というべきものでした。さんまさんのアシスタントを務める『ヤングタウン土曜日』での太鼓持ち芸(ちょっと毒を含むなどのバリエーションも含め)も素晴らしく、卒業後にもレギュラー続投となったのは誰しもが納得するところでしょう。
グループ内で成長を遂げて自身の魅力を発揮し、グループにその人だからこそ可能だった貢献を果たし、次の目標を掲げつつ晴れやかに卒業する・・・飯窪さんはまさにモーニング娘。における一つの理想形を体現してくれました。それが最初からアイドル理想像の王道を歩んでいた子ではなく、加入直後は活躍できるのか危ぶまれていたメンバーだったことが、またモーニング娘。らしくて良いじゃないですか。
また冒頭で語ったように、アイドルというジャンルには若いことが持て囃されるという側面がやはり否定し難く存在しているように思います。20歳を超えたアイドルに「劣化」とか「もういい年」なんて心ない言葉が届くことだってあるでしょう。だけどハロプロは30歳を目前にしてまだまだ「可愛い」の最前線で活躍している先達もすぐ近くにいるし、アイドルとして数年を経て卒業していくメンバーに「若いんだし」と声をかけてくれる大人が周囲にいる環境です。そういったハロプロのポジティブな面も背景にあっての、明るく、晴れやかな卒コンであったように思います。
まぁ、目上に好かれることに関しては歴代メンバー随一でもあるでしょうし、何の心配もしておりません。毎日Ni-naちゃんの更新も楽しみにしております。だから素直に言えますね。はるなん、お疲れ様でした! 卒業おめでとう!
■卒コン
リリース時から高橋もガキさんも鞘師も抜けて、いろんなバリエーションを聴いたわけですけど、『Only You』の歌割り・構成はこの卒コンで聴いたものが今まで聴いた中で一番好みでした。歌も素晴らしかった!
卒コンは東スタンドのステージほぼ真横から娘。さんたちのつむじを見下ろすような席だったんですけど、一度だけメンバー全員から一斉に目線&指さしが来たんですよ!
『フラリ銀座』の落ちサビの 星まで行けそ ≪おー!≫ の部分なんですけどね、ええ。