えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『ULTIMATE DIAMOND』

水樹奈々の最新アルバム
ULTIMATE DIAMOND』を購入しました。


この春の武道館コンサートに誘われて、初めて水樹奈々の歌を聴いて、そっから過去に遡ってアルバムを2枚聴いたんですけど、自分にとってはどれも知らない曲なんで、いきなり15曲とか聴いてもなかなか覚えられないんですよね。いっぺんに聴くとどれも一緒のような曲に思えてしまうというか(これはどんな歌手のアルバムでも大抵そうだと思うけど。それこそPerfumeが流行り出した頃とか、「どれ聴いても同じ」なんて批判は2chなんかでも散々書かれてたわけですし)。でもそれと比べると、この最新アルバム『ULTIMATE DIAMOND』は、各曲の色彩が際立っていて比較的覚え易かったんです。


もちろんそれは
・『TANK!』っぽいの
・雅曲とメタルのミクスチャ
・明るいピアノポップス

とあえてジャンルそのものが違う(=音楽的な方向性の違いが私のような音楽無知にもハッキリわかる)3曲を冒頭に持って来てる構成にもよるものでしょう。しかしそれだけでなくアイドル/声優歌手の本質に根ざすものだとも思いました。



それこそバンドだったら使用される楽器はどの曲も一緒なわけで、素人にもハッキリわかる方向性の違いなんてなかなか見せられないでしょう。その点、アイドル/声優歌手の場合は、どんなジャンルに手を出そうが自由。歌い手のパーソナリティと乖離さえしていなければ、本人のルーツや嗜好さえ関係ないわけです。


そうやってできる音楽的幅はアイドル/声優アルバムならではの長所の一つでしょう。
(もちろん、それはその歌い手にとっての本道と言える路線がちゃんと担保された上での幅ですが)


言葉にすると簡単ですが、ハロプロを定点観測してきた身としては、これがなかなかに難しいってこともなんとなくは察しがつきます。まず「歌い手のイメージ」の幅が狭いとそもそも無意味です。そして「音楽的には自由」といってもクリエイター陣が固定していた場合、結局限界がありますし、また作り手が歌い手のイメージに合った方向性の曲を提供できなかったりもします (「ご、ごっちんにサントワマミー!?」みたいな感じで迷走するプロデュースに悩まされるのはアイドルファンの常です) 。そして、どれだけ「いろんなジャンルの音楽」に挑戦したくても、過去の実績から類推される売り上げの見通しがないと、予算の都合上、生楽器や腕の良いプレイヤーが使えず、そのジャンルの魅力をそもそが出せなかったりします。



そういう意味で、過去のアルバムと比べても『ULTIMATE DIAMOND』が彩り豊かと思えたのは、一つには歌い手本人が芸の幅を広げたこと。次にクリエイター陣がどの幅に合わせた曲を提供したこと/ユーザーの側にその幅を受領する土壌ができたこと。そしてその幅を具現化することにビジネスとしてのゴーサインが出るだけの実績ができてたってこと。こういう良い流れの結実なんだろうなって思いました。


http://www.ntv.co.jp/zoomin/enta_news/news_166277.html?list=1&count=1

で、オリコン1位だそうでおめでとうございます。





そういえばシートベルツのドラムの佐野康夫さんて『ミスムン』とかでモー娘の曲にも参加されてましたね。