えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

島倉りかを80年代のアイドルに!

Hello! Project 2020 〜The Ballad〜 町田市民ホール

9月27日に町田市民ホールで行われたハロコンHello! Project 2020 〜The Ballad〜』を見て来ました。この町田公演は、ハロコンツアーの中でも希少な4人という少人数での公演、しかもその中に小田さくら高木紗友希というハロプロきっての2大歌姫を擁するとあって、仮に推しメンがいなくてもちょっと行ってみたくなるような、なかなかに注目度の高い公演だったんじゃないでしょうか。

 

客席を瞬時に深い森に誘う小田、完璧なフェイクで胸に迫る情感を歌い上げる高木。やはり小田・高木の歌唱力は圧倒的でした。小野田紗栞さんも伸びやかで透き通るような高音ファルセットが生かせる曲では素晴らしく、なにより"理想の彼女"感を漂わせる現代的アイドル像の打ち出しとして非の打ちどころのない佇まいであったと思います(●●坂でセンターを張ってても違和感なさそうなほど…)。しかしことコンテンツバリューとしては、島倉りかさんのステージにこそ独自の将来性があるように感じました。

 

 

■見る者を昭和時代へと誘う島倉りかステージ

他の3人は、歌の世界観、歌唱、そして歌い手のルックスの3つが必ずしも一致しているわけではなく、曲によってはズレを感じます(『もののけ姫』を茶髪で歌ったり)。しかし島倉さんだけはすべて「昭和歌謡」に焦点を当てて作り込まれており、しかもその高い完成度から、見ている間は昭和時代にタイムスリップしたような感覚を味わえるのですよ。

 

歌い手個人の独自の世界観を持っている歌手はいますが、特定の時代観を出せる歌手は稀です。そして「あの人は今」や過去を振り返るランキング番組の放送、リバリバル作品・玩具のリリースが毎年絶えないように、一定の年齢以上の大人にとって自分の子供時代・青春時代へのノスタルジィは常に需要があり、しかも集金性も高いコンテンツです(りかちゃんが出演した『この差ってナニ?』の昭和歌謡特集も急遽2回に分けて放送されましたが、あれも需要があってこそでしょう)。 そう考えると、「80年代を体験できるコンサート」というのは、「上手い歌手のコンサート」とはもう一つ別の角度のバリューが乗っかっており、普段はお金を出してコンサートに行ったりしないような、従来のアイドルファン層の外の人々にもリーチするコンテンツになり得るのではないでしょうか?

 

 

■島倉りか昭和歌謡ショウ!

コンサートも歌唱ステージだけじゃなく、会場で当時風のアイテムや食べ物を売ったり、レトロゲームの筐体を置いたり、懐かしい映像を流したりと、80年代をモチーフとした体感型テーマパークとしても展開できそう。また当時の雑誌記事風のパンフレットやプロマイドなど、グッズ展開も考えやすいでしょう。現代的な双方向的コンテンツとしても「80年代の国民的アイドル 島倉りか」が実在したという体裁でファンワールドを展開していくのは楽しそうじゃないですか?

 

しっかり作り込めば、本当に今までの違う経路でのブレイクやマネタイズが期待 できそうな気がします。個人的にはBEYOOOOONDSのデビューがらみでその手腕を発揮した博報堂ケトルの北野篤さんチームにプロデュースをお願いしたいところです。