えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。


守屋次官云々の問題で「接待」の他にもう一つ、一見全然関係ないように思える(従軍)慰安婦問題のことをふと私は考えたのです。私は慰安婦問題についてあまり詳しくはありません。いや、肯定派否定派ともにネットで調べられる範囲の意見・史料は一通りは見てるんですけど、実際の文献とかには当たってないから、そこで得た知識が本当に正しいのかどうか検証できてないんですよ。だからその辺の知識からではなく、どうしても今の日本人とか日本社会のありようを当時にスライドさせての考えた推論が中心になるのです。


メーカーの側が役人に接待攻勢をかけたり、天下りを引き受けて高級を払ったりしてるのは、認可事業や随意契約の官事業では官の立場が圧倒的に強いからじゃないですか。で、太平洋戦争当時の慰安所なんですけど、これって軍人専用の組織なわけですから、一種の認可事業みたいな関係だったんじゃないかなと思ったわけです。慰安婦の健康検査をしたり、悪質な勧誘がないかを取り締まったりといった軍の関与があったことは史料から明らかになってるわけですしね(これは否定派も肯定派も認めてる)。まぁ、そうでなくても客はみな軍属なわけですし、軍が威張ってたって時代的背景を考えても、当然軍の方が相当に立場が強かったと思うんですよ。


で、慰安婦問題で争点の一つは、「軍組織による女性拉致」があったか否かなんですけど、先の推測のように軍の立場が強かったと仮定すると、当然出てくる疑問は慰安婦を軍サイドが調達する必要あったのか?ってことなんです。少なくとも、そんな汚れ仕事を軍隊が進んでやりたがったとは思えない。そもそも当時は朝鮮半島も建前上日本の一部だったわけですから、自国の領土内で、自国の国民を拉致するってどう考えても道理が立たないことは明白な任務なわけで、わざわざやりたい仕事であろうハズがない。そうなると立場の強い側がわざわざそれをするか?という疑問が自然と浮かぶわけです。そういう嫌なことは業者に押し付けたんじゃないの、と。官を接待するのに、官の側がコンパニオン嬢を用意するってこたぁないでしょ。


現代の日本の状況をスライドさせて考えてみると、どっちかと言えば、「軍の上層部は特定の業者の慰安所開設を認可する代わりに巨額の裏金を受け取って、業者はその分の出費をサービス単価に上乗せし、割を食うのは一般ユーザー(兵卒)」っていう利権談合の構図の方がしっくり来ませんか?



そもそも慰安婦を「強硬手段に訴えて集める」必要があったのかという点も疑問なんですけどね。現在 韓国は日本に約3万人の売春婦を輸出していると言われています。韓国のメディア自体がそう報じています(参考参考)。彼女たちは不法入国してまで売春に来ているわけです。地域間に経済格差がある時、経済水準が低い地域から高い地域へ向けて、こうした性産業の供給は発生するわけですが、現在の韓国は相当に経済水準が高くなって格差が縮まったというのに、それでなおこれだけの供給があるわけです。戦争当時は日本-韓国の経済格差は今以上にあったわけですから、普通に考えれば今以上の割合で供給があるのが自然なハズ。つまり拉致なんかしなくても慰安婦は集まったんじゃないか、と。そのへんから考えても、少なくとも「軍が命令を出して兵隊が道行く女性を拉致した」っていう、これまで言われてきた慰安婦のあり方は非常に不自然だと感じざるを得ません。


(あと当時の日本軍の中には相当数の韓国人兵士がいたわけで、拉致した朝鮮人女性を慰安所で働かせてるなんて事が実際にあったら、下手したら反乱が起きてると思うんですけど、そこんとこどうなんでしょ)



もちろんだからと言って、日本軍に倫理的な問題がなかったということにはならないとは思いますよ。親に売られる、あるいは業者に騙されるなどして本人の意志に反して慰安婦となった女性がいた場合、今の倫理観で言えば軍にはその女性を保護する義務があって然るべきです。実際に女性たちに接してるわけですから、そういう事例を一切関知してなかったってこともないでしょう。まぁ、売春自体違法じゃなかった時代にそこまで求めるのは酷かもしれませんが、少なくとも現在の倫理観に照らし合わせれば管理が不十分だったと言える面はあるでしょう。




慰安婦肯定派の一部が、「日本軍に拉致された!」から、当時あった経済格差まで含めて日本の責任として「広義の強制性はあった」という風に主張をスライドさせているのは、前述のような考えに行き当たって、さすがに直接的な意味での拉致・強制連行があったと主張するのには無理があると思い始めたからなんじゃないでしょうかね。でも以前の主張が間違っていたことを認めずに、うやむやのうちに主張内容をすり替えるのはどうかと思いますけど。