えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

毒餃子

昼ぐらいに2chを見ると『報道ステーション』において
「中国側にとったら大変な痛手」
「浮かれた生活をしていたから」
と古舘伊知朗がコメントしたことが話題になってたんだけど、もう関連スレは全部落ちていますね。いくらなんでもこれはガセだろうと思ったんですけど、YouTubeでくだんの動画を見つけたら本当に言ってました。ビックリ。そりゃ「中国からの食料輸入停止を」なんて実現性0で威勢がいいだけのことを言う産経新聞もどうかと思いますが、いくらなんでもこれはない。

http://b.hatena.ne.jp/entry/7289838

状況の説明を終えた後の古館と加藤千洋朝日新聞編集委員)のコメント。


古舘:これ中国側は大変な痛手ですねぇ。


加藤:そうですねぇ。これから真相究明がなされないといけないと思うんですけども、曖昧にするとこれ中国が不利ですよね。跳ね返りますよね。ですから日本と中国が協力して、迅速に真相を究明して、わかったら再発防止策を採ると、これが肝心ですよね。それから被害者の救済と、被害の拡大を今すぐストップする。そこですよね。


古舘:そうですよねぇ。今映ってますけども、中国側からどういう情報が出てくるかという点が・・・これだけ大きな工場でいっぱいモノを作っている、本当に真相がつまびらかになってくるかということもありますよねぇ。


加藤:あれこれ憶測でものを言うのも慎まなければならないと思うんですけどね、本当に原料段階の野菜残留農薬という形であったのか、製造過程で入ったのか、保存過程で・・・あるいは包装紙にも同じような物質が検出されたという情報もありますんで・・・。いろんな状況が考えられると思うんですけども。まずそこをハッキリとさせるということですよね。


古舘:確かに(規定)レベル以上の混入があったわけですから、残留というよりは工場内で殺虫剤として使ってそれが付着したということも考えられるわけですしねぇ。


加藤:そうですね。誤って入っちゃったのか、あまり考えたくないですけども、ある種の意図をもった人間がわざと混入させたという可能性もね、今の段階では否定されないわけですから、このへんはどうなのかというところをまずは突き止めないと。


古舘:冷凍食品というのは昔に比べればグンと味は良くなったと思いますし、値段が手頃で買いやすいというところもある。便利さを追求してゆく中で、当然のように食べている製品が、こういうことが起きてくると、今まで浮かれた生活をしていた部分はなかったのかというようなことも考えないといけないと思うんですよね。やはり物流が世界中から安く入ってくるというのが当然で、気がついてみたら日本の食料自給率は39%まで落ちているというこの現実があるわけですね。



国民の日常生活の中に浸透している中国産食品の中に毒が混入していたという、身近な恐怖を突きつけられるニュースを受けての第一声が「中国にとっては大変な痛手」というのは、一般国民の感覚とあまりにかけ離れているのではないでしょうか。というか、常人の共感し得る範疇すら超えている。ここまであからさまに、どんなことをしてでも中国におもねろうとする情熱は一体どこから来るのでしょうか。その不可解さがただただ不気味です。


事件性を含め真相の究明が待たれるという点はもちろん同意。


最後のコメントは、食料自給率の低下を懸念する結論となっているために一見まともに見えますが、世界中で中国産食品の安全性が問題視され、今回もその一例として世間に認識されていることは明白なのに、「世界からの物流」と話題を無闇に拡大し、焦点をボヤかして一般論として語る姿はかなり不自然です。また今回の事件とどう「浮かれた生活」が結びつくと言うのでしょうか。確かにやれボジョレーだミシュランだの騒いでいるのは浮かれた部類でしょう。しかし、安価な冷凍食品などは、むしろそうやって浮かれる人達とは対局の生活の中でこそ主に消費されるものでしょう。普段は「格差社会」だとしきりに騒いで弱者の味方として語っているのに、まさに格差の下方にとって身近な食材に関する問題で、「今まで浮かれた生活をしていた部分はなかったのか」とはよく言えたものだと思いました。


どういう見返りがあったら人はこんな風に振る舞うことができるのか。そういうことをしみじみと考え、うすら寒い想いをさせられる内容でした。




ちなみに
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/468112/
産経記者による中国側記者会見のレポ