えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

『影法師』 百田尚樹講談社
下士の身分から筆頭家老まで上り詰めた名倉彰蔵は、20年ぶりに帰った国元でかつての刎頚の友・磯貝彦四朗の死を知る。かつてあれほど優秀だった男が、どうして落魄の末に野垂れ死にしたのか。そこには誰にも知られることのない想いがあった…


バディものの変形版としての時代劇。
抑圧が強い士族社会だからこそ高じる人の内圧が
一人の侍の人生を通して描かれる。



『風の中のマリア』  百田尚樹講談社
子供も産まず、偉大なる母と妹たちのために
短い生涯を戦って生きることを運命づけられた者−−。


本作はそんなオオスズメバチのワ−カーである「マリア」を主人公とした物語。本能というさだめを背負ったマリアの人生(虫生?)を追うドラマが語られる中で、驚くほどの社会性を持つスズメバチの生態についてもわかりやすく解説される。


この作者は
・取材力と、それをわかりやすく伝える「語り」に秀でている。
・基本的に筋立てはまっすぐ
という書き手のようなので、題材までストレートなものだと青春ボクシング小説『ボックス!』のようにベタになり過ぎるようです。だからこういったヒネった題材の方が個性が活かされる気がします。