読了

『夢のあとさき おいしいコーヒーのいれ方 Ｘ』 （村山由佳 集英社文庫）
15年おつき合いしたシリーズがついに完結！　かと思ったら第一部て。
１巻目で両想いになってつき合い出し、初セックスが10巻てどうよ？

元々はジャンプノベルに十代の「小説始め」用として発表されてたもの。ジャンプノベルという媒体自体はなくなっちゃったけど、活字離れした若者向けにってことでこのシリーズは丁寧に巻を重ねて、その間に作者は直木賞を獲ったり、「ライトノベル」なんてものが流行したりしたけど、作者の想い入れは変わらずシリーズは大切に育てられてきました。教訓や説教で教え諭すだけではなく、「自分の好きなこと」を次の世代に伝えるのも、大切な大人の責任だと思います。作者にとってはそれが「小説を読むこと」であったのでしょう。

自分さえよければ、という最近の風潮にいじらしく抵抗するかのような、ショーリ君の性格設定が好きでしたね。そんな彼だからこそ、恋愛において自分を抑えられず、自分勝手になってしまうことに悩む姿が様になったのだと思います。いや、ホント。冷静に考えても、１巻目で両想いになって10巻まで、性交にも至らず話の間がもってたのがまず凄いよね。

村山由佳読了分
『天使の卵』
『BAD KIDS』
『野生の風』
『青のフェルマータ』
『翼　cry for the moon』
『海を抱く　−BAD KIDS-』
『星星の舟』
『天使の梯子』
おいコー　Ｉ〜Ｘ