えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『エウレカセブン』

“地球から旅立った人類が入植した惑星にて、軍上層部はコーラリアン(原住生物みたいなもの)の殲滅を目論む。コーラリアンとの共存を目指して、ホランドは人間型コーラリアンである少女エウレカを連れて軍を抜け出し「ゲッコーステイト」という反抗組織を立ち上げた”


という第一話以前のストーリーの大枠が33話にしてようやく明確にされた。これまでスタッフはその多くの設定を謎として保留(放置)し、それを物語の牽引役にさせようとしていた。しかし、改めてこれが第一話からキチンと説明されていたとして視聴者に対する引きにどれほどの変化があったろうかと思う。むしろ説明不足な単語の羅列で辟易させた影響の方が大きいだろう。


エヴァ』と違って基本舞台設定からして日常からかけ離れているこの物語では基本的な設定まで謎としておくことは視聴者にとっては不親切以外の何者でもない。不定形な土台の上にどのような作劇を積み重ねられても、それらは感情移入を生むことなく未消化なまま流されてゆくのだ。


ここにきてようやくその愚に思い至ったのか、ここ数話で急激に設定解説がなされ、主人公たちの動機と目標が明らかにされた。この転向は間に合ったのか、手遅れであったのか。前向きな少年主人公、爽快感のあるロボットアクション、スタイリッシュなデザインワーク……最初の数話で高いポテンシャルを示し大いに期待させてくれた作品だけに、ここからの巻き返しを信じて後半に向けての展開を見守ってゆきたい。