えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ももいろクローバーZ 『極楽門からこんにちは』DVD

このライブDVDを見る機会がありました。
時系列的にはこのコンサートは日本青年館中野サンプラザ早見あかり卒業)→極楽門@よみうりランドと、まさに回を追うごとに会場が大きくなっているタイミングで、グループとしての躍進のまっただ中(そしてこの次がさいたまSAであることがこのコンサート中に発表された)。しかも早見あかりが卒業して「ももいろクローバーZ」に改名しての初めてのライブということで、ファン的にはまさに「歴史に立ち合ってる」感も強かったんじゃないでしょうか。野外ライブで客席に水鉄砲を撃ちまくるなど、「忘れられない夏の日」を創り出すための演出も随所に取り入れられており、思い出に残るスペシャルなサマーライブであったろうと思います。そう、素晴らしいステージだと思います。だけど一方で、このライブとの対比からつくづく今の自分の生理にはモーニング娘。のコンサートの方が合っていると改めて感じもしたのでした。


なんというか、あまりに「特別」過ぎるんですよ。確かにグループの躍進や特別な瞬間に立ち会うことはファンとしては無上の感慨があるでしょう。1回たりとて見逃せない! そう思わされます。だけどなんか、そんな風に駆け抜けて行かれちゃうともう「そして少女たちは世界に向けて羽ばたいて行ったのであった」というエンディングしか見えて来ないんです。「特別」にはいつか必ず終わりが来ることから目を逸らして無心に応援するには、私はオタとしてトウが立ち過ぎているんです。


対して今のモーニング娘。はと言うと、行われているのは例年のごとく、毎週のように行われる普通のコンサートに過ぎません。そこにプレミア感はない。だけどその代わりに「特別」の対極である「日常」や普遍性を獲得していると思うです。特別感と言えば、高橋さんが卒業した『愛BELIEVE』ツアーや、10期初参加で新垣さん光井さん卒業の『ウルトラスマート』ツアーの方が特別感はあったと言えるでしょう。だけど私はそれよりも、卒業といったプレミア要素がない今回のツアーの方にこそよりモー娘。らしい魅力を感じていますし、実際に今回の方がたくさん参加しているのです。もちろんメンバー単位ではデビューして、成長して、躍進して、卒業してと、それぞれ特別な瞬間ではあるんですけど(もっとミクロな単位で言うと凱旋コンとか生誕祭とか)、グループとしてはそういった大きなサイクルすら15年という歳月の中に飲み込んで、それらを「日常」として提供できている。だからこそ私は今、安心して好きでいることができるのです。いつもの公演に、客に足を運ばせる力がある−−それもすごいことでしょ。


.