えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」 :その2

先日本屋B&Bさんで行われたトークイベント 橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」のレポの続きです。

 

2019年ハロプロ3大トピックとしてゲストがそれぞれBEYOOOOONDSのことを挙げていたので、BEYOOOOONDSがらみの話題はまとめてすることに。そこでは歌詞の初期稿や完成前のデモ音源、MVの文字コンテなど貴重な資料も公開されて、曲ができる過程などが解説されていました。ここでは曲ごとにトピックをまとめて話を再構築しています。

 

 

  ■『眼鏡の男の子』

まずは星部ショウさんから、この曲を「第2回FOREST AWARD NEW FACE オーディション」に提出したのがハロプロで仕事をする切っ掛けで、当初は『眼鏡の男の子』ではなく『眼鏡の女の子』であったという、既に星部さんのライナーノーツで書かれている経緯が一通り説明されます。そしてその最初期の音源が公開されました。この音源は星部さんが『新世紀ミュージック』に出演された際にバックで流れていたものですね。アレンジはアコースティックで今よりずっとメロウな雰囲気。テレビではコメントと重なって聞き取れなかった部分の歌詞が

 

 「桜色したブックカバーに

 隠してるのはどんなストーリー

 いつでも君は僕を素通り

 眼鏡、眼鏡の女の子」

 

 と「ストーリー」と「すどぉーりー」で韻を踏んでてちょっとオシャレだったことが判明。 

 

次に流されたのは、BEYOOOOONDS用であることを前提に調整されたもう少し進んだ未完成音源。既に冒頭に星部さんの裏声による小芝居の掛け合いが入っていますが、登場人物はまだ女子高生3人組のみ。しかしその後の「今日もすし詰め満員電車~」の口上は割と今のままでした。  

 

これが提出された後に、野沢トオル氏によって冒頭の芝居部分の登場人物が9人に増量されて、今の形の大枠が完成したとのこと。 

 

ちなみに上記のデモ音源のアレンジがファミコン風のピコピコ音だったのですが、それを聞いたぱいぱいでか美さんから 

でか美:ファンの方でBEYOOOOONDSの8bit音源を作ってる方いますよね、好きでよく聴いてるんですけど 

と知り合いのセルダー(@selder16)さんの音源への言及があって「今度でか美イベントに一緒に行くしか‼」と個人的には高まりました。  

 

ここから北野さん。BEYOOOOONDSへの参加はシングル各曲のジャケットやMVなど。ジャケットのアートワークは「モーニングみそ汁」と同じデザインチームとのことで、ここで公開された大ラフのイメージ案で既に少女漫画「りぼん」単行本風のイラストが描かれており、全体のビジュアルイメージがこの時点で既に固まっていたことが伺えます。そしてこのデザインラフを描いたのは過去に法廷画家やってた人だそうで、短い時間で人物の特徴を捉えるのがやはり得意とのこと。ちなみに法廷画家の人はMVの撮影に同行して、なぜかみいみとにらめっこをしてたそうですw 

 

『眼鏡』のMVは北野さんがまずあらすじを書いたとのこと。ただ映像監督だけに任せるとなんとなくの芝居をつけてしまうので、北野チームの女性スタッフと一緒に登場人物のこの子はどんな子で電車の中では何をしているのかと、キャラクターの細部・隙間を掘り下げて詰めていったとのこと。例えば江口さんだと真面目な子だから単語帳を見ているんじゃないかとか考えて、その場で単語帳を買いに行ったと。北野チームが「大枠」と「ディテール」の両面から作品世界の構築に貢献していたことが伺えます。   

 

 

 

■『アツイ!』

『アツイ!』のMVは、公開こそアルバムプロモーションのタイミングになったけど、実は楽曲発表順と同じく『眼鏡』の次に製作されていたそうです。 

「確かにみんな若くて…特に美葉ちゃんの顔が幼いと思ってました」

とでか美さん。橋本氏曰く、当初は『眼鏡』の可愛い系か『アツイ!』の激しい系か、どちらで行くんだろうと思わせる作戦だったとか。  

 

ここでモニターに北野氏によるMVのVコンテ(プレゼン用のラフな動画)が映されました。『アツイ!』の音源に合わせてさまざまな動画がコラージュされた映像だったのですが、これがまぁ、まんまアレでアレというか。元ネタ開陳大会と言いますか、当然絶対に外には出せないヤツでして。 

北野:「アツイ!」というか「ヤバい!」って感じですねw  

深夜テンションのままに作られたというこのVコンを見て、「これはイケル!」と思ったと橋本氏。なんでだよ・・・・・・(汗)   

 

 

 

■『Go Waist』

「west」と「waist」とをかけたのは橋本氏の発案。「Go West~」部分を「ビーヨーンズ」にするのは最初の頃から決まっていたそうです。あとは雨子さんが「BEYOND=超える→肥える」と展開してワークアウトソングとして歌詞が進められ、そこにブートキャンプ要素を加えたのは野沢トオル氏。そこからほのピアノをどうするかという話になり、「運動は体操で締めるもの」ということから整理体操を入れることに。ラストに体操が入ると伝えても編曲の大久保薫氏はどういうことかピンときてないようだったので(そりゃそうだ)、橋本氏が仮に体操音を入れた音源を渡したら、「そういうことか」という感じで納得してくれて完成したと。 

 

ここで雨子さんによる歌詞の初期稿がモニターに映されたのですが、サビが 

も~Waist 燃やしてこう

も~Waist モヤシ食おう 

となっており、雨子さん曰く「今見るとゾッとする」とのことでしたw  

 

MVに関してはテレビ番組をザッピングするアイデアは当初からあったと北野さん。ただサヤーズ隊長は今でこそ江口さんに腹筋メイクしたものになっていますが、当初はパンプアップした江口さんが本当に別人に変身して全然知らないマッチョなおばさんになる予定だったとか。歌部分はそのおばさんがちゃんとリップシンクまでする予定だったそうで、もし実現してたらメロン記念日が黒人男性に入れ替わった『お願い魅惑のターゲット』以来のクレイジー案件になってたことでしょう。夜中の1時にムキムキの女性のリストをみんなで見てキャストのリストアップまでしたけど、ギャラの問題で断念したとのこと。   

 

 

 

■『ニッポンノD・N・A!』

当初のタイトルは『怒れD・N・A!』。初期デモ音源が流されたのですが、これが今とはまったく別モノのテンポも緩いダサラップw 

ヘーイ YOー 1億2600万人のジャッパニ~ズ♪

(ジャッパニ~ズ)

みたいな。メロディも違ってましたね。

 

 次の段階のデモは緩い縦ノリのいわゆる『おら、東京さ行くだ』的なIKUZOラップ。 

 

この後でDA PUMPの『USA』を意識してユーロ路線に舵を切り、日本にユーロサウンドを広めた人と言えばTK! という流れからTKサウンド路線で進めることに。披露された次の段階のTKコードデモでは「生粋の内弁慶~」の部分が「「生粋のお人良し~」とか歌詞はまだ未完成でしたが、メロディとしては今の大枠は固まっていた印象でした。あと歌詞で日本の良いところを羅列してるんだけど、

「カラオケ・胃カメラ・ウォシュレット!」

なんて歌詞もあって、「語呂がイイ!」とひとしきり盛り上がる 。 

 

でこのTKサウンドでまんまとひっかかっ…(ゲフンゲフン)乗って頂いたのがDJ KOOさんで、KOOさんがTwitterで言及した後でYouTubeの再生数が一気に伸びたと橋本さん。

 

余談ですが北野さんはハロコンにDJ KOOさんに出てもらって trfはテツヤ・コムロ レイブ ファクトリーの略ですからー!」って言ってもらうことを提案したけど、苦笑いで流されたそうですw  

 

MVにおける、とある会社の放送室から始まって、社内を巡って、屋上に行って主張して・・・という大枠は北野さんの最初のラフコンテでもうできていたそうです。会社で書類の紙吹雪の中で歌うのは新宿三井ビルののど自慢大会などもイメージソースになっているとか。 いろんなことが繋がっているなあ・・・。

 

 

■『恋のおスウィング』

この曲は詞先で製作。『眼鏡の男の子』の世界観を広げるという趣旨の発注で、雨子さんが詞を書き、そこからセリフを追加したりと調整が入って完成。  

 

 

 ■『高輪ゲートウェイ駅で抱きしめて』

こちらも製作の経緯は星部さんのライナーノーツに書かれている通りなんですが、星部さんと橋本さんがヒャダイン氏のラジオに出演した文化放送からの帰り道の電車内での会話を小芝居で再現してて、それに対して雨子さんから

「オジサン2人がいちゃいちゃデートしてるようにしか見えない・・・」

というツッコミが入ってました。  

 

 

『高輪』の流れから橋本さんより「BEYOOOOONDSの弱点は時世に合わせ過ぎなこと」というお話が。春には高輪ゲートウェイ駅ももう完成してしまうし、『元年バンジージャンプ』も今年には合わなくなってしまったと。ただでか美さんから「2年は言いづらいけど、3年はできる」とも。

「さぁ、3年だバンジージャ~ンプ♪」

確かに。     

 

 

北野氏曰く、BEYOOOOONDSはシングルからアルバムの期間も短くスケジュールもタイトで、MV3種ジャケ6種は地獄だったと。徹夜続きの合宿状態で、星部さん・野沢さんとよく一緒にご飯に行って「俺たち頑張ったな」とお互いを褒め合って乗り切ったそうです。良い話かと思いきや雨子さんより

「なんで私は呼ばれてないの!? 私も頑張ったよ??」

確かに。   

 

 

 

 ■総括

さまざまな要素がてんこ盛りのBEYOOOOONDS楽曲群やMVがどういう発注がされ、どういうやり取りの中で作り上げられたのかはずっと不思議だったのですが、今回お話を伺ってそれが見えてきましたね。大勢の人物がアイデアを出し合ってブラッシュアップ・・・というかカオス度をどんどん盛り足していってでき上がったんだなと納得できました。煩雑なやり取りと連絡のタイムラグを避けるためにグループLINEなども駆使して効率化を図っているのも印象的。

 

そしてカオス度を上げるに当たって、従来のハロプロにはなかった要素を加えたのが北野篤さん。星部さんや雨子さんはこれまでの実績もよく知られていましたが、北野さんに関してはBEYOOOOONDSがらみで初めて名前を知ったという方も多いかと思います。モーニングみそ汁とかセカパカの時にはお名前を出されてませんでしたからね。ご本人的にも2019年は「自分の名前を出していこう」と意識されていたらしく、そのことから「BEYOOOOONDSの話題の盛り上がりは自分をフックアップしてくれた」という感覚があるとのことでした。

 

 名前を聞き始めてからも具体的にどういった要素を担っているのかはいまいち見えて来なかったのですが、お話をうかがっていると、BEYOOOOONDSにおける面白い要素のかなりの部分が北野さん発案。MVやアートワークにおけるアイデア出し、0を1にする作業は基本的に北野チームの担当のようでした。遊び心のあるアイデアマンで、しかも「実力診断テスト」なんて単語が普通に会話の中に出てくるあたり、ハロプロにも相当詳しい。信頼できるキーマンという印象で、今後もBEYOOOOONDSにもガッチリ関わり続けて頂きたいですね。 

 

 

残る話題はレポその3へ続く・・・・・・かも?

橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」:その1

 

先日本屋B&Bさんで行われたトークイベント 橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」に参加してきました。その中から気になったトピックを紹介していきたいと思います。メモを元に書き起こしているので細部が異なること、文字起こしと地の文が混在してることはご了承ください。

 

 

■偶然生まれた『LOVEペディア』と『人間関係No way way』

雨子:1年前ぐらいから書いていたけどタイミングがハマらなくて。最初のタイトルは『LOVEタイフーン』だったけど、夏に台風の被害などがあり自主規制というか自粛に。続いて出したのが『LOVE旋風』。こちらは「せ」の音が弱いとボツに。橋本さんたいせいさんとのグループLINEでタイトル大喜利となってさまざまな案が出た。『LOVE大吉』とか。最終的に私の案で今の『LOVEペディア』に。ただ発売まで間がなかったので、さらに上の人からボツをくらった時の代わりも用意しとこうと、コンビニでエロ本を買う時に恥ずかしいのを誤魔化すためにエロ本の上に『少年ジャンプ』を乗せて隠すみたいな感覚でもう一案を用意した。それが後の『人間関係 No way way』。当時は『人間関係リセット姫』というタイトル。そうしたら「それもええな」という感じでそっちも採用になりました。

 

橋本:編曲は『LOVEペディア』が先。出だしでどちらの曲かわからなくならないようキーを変えた。『LOVEペディア』は最後に転調して上がるけど、『人間関係No way way』は最初から上。2曲続けてやるとバッチリ合うようになった。これは計算したわけではなくて結果そうなった。

 

雨子:今の音楽業界ではいつくかの候補の中から1曲が選ばれるコンペ制が基本なんですが、その常識が覆った。「選ばない」という新しい選択。やっぱりアップフロントは頭おかしい(誉め言葉)。

 

「同じメロディで違う歌詞・編曲・振付け!」というのが意欲的な試みとして対外的にも宣伝されている『LOVEペディア』と『人間関係 No way way』。ファンからもかなり評価されていたこの取り組みがまさかこんな偶然の産物だったとは・・・! 何気に今回のイベントで明かされた事実の中で一番の衝撃だったかも。でももの作りにはこうした偶然の機を逃さない感覚が大切なのかもしれません。つんく♂氏も『恋のダンスサイト』の「あ、なんだ」みたいに昔から偶然生まれた没テイクを活用したりしてましたからね。

 

 

 

■北野篤さんの経歴

BEYOOOOONDS周りと『LOVEペディア』のMVで一躍ハロヲタの間にも名が知られるようになった博報堂ケトルに所属するプランナー・北野篤氏。ご本人から説明があったハロプロとの関わりをまとめると、最初は「LOVEオーディション」の手伝いで、動画を作ったりアドトラックを走らせたりしたそうです。

 

LOVEオーディション特設サイト

言及はなかったけどこのサイトも製作されてたのかな?

 

そして「モーニングみそ汁」。「モーニングみそ汁」は企画を3個マルコメさんに出したのの一つで、立案や、メンバーごとの担当具材決めも北野チーム(でか美さんから「野中美希ちゃんを揚げナスに決めたのも!?」的なガヤ)。時期的には13期加入の頃で、ハロステで加賀さんと横山さんへのモーニング娘。加入サプライズ発表の動画があったけど、あの撮影の直後の2人にどの具材がいいかを聞いたので、「これもまだ何かのサプライズなのか?」と不審がられたとのこと。

 

セカパカのプロモーションは以前からずっと北野チームが担当しており、ちょうどモーニング娘。が13人だったので、リーダーの譜久村さんを真ん中に12球団でハマった。セカパカの歌詞を書いたのは北野チームの女性スタッフで、『LOVEペディア』のMVに出てくる本の英文を書いたのも同じ人(その女性も会場にいらしてました)。その後に本格的にBEYOOOOONDSに関わることに。

 

最初に関わったのが「LOVEオーディション」だったので、『LOVEペディア』では「LOVE」つながりを感じたとか。そのオーデで入った子たちの最初のMVにも関われて、運命を感じたそうです。ちなみに加入前のハロプロ研修生実力診断テストでは山﨑さんに投票しててそこでも思い入れがあったとか。

 

 

他には道重さんの『Loneliness Tokyo』や『OK!生きまくっちゃえ』、こぶしファクトリーのショートムービーなど。最近では鈴木愛理の『Break it Down』も。曰く「OGメンバーのMVはグループ卒業の先に夢が持てるものを作りたいと思った。衣装がめっちゃあるとか、海外ロケできるとか」とのこと。

 

直近ではこぶしファクトリーのラストシングルの2曲のアートワークとMVを担当されているそうです。こちらの公開も楽しみですね。

 

 

 

■『恋はアッチャアッチャ』公式アッチャアッチャ応援隊の衝撃

星部:「インドで一曲」という発注で、時間はかかった。

 

雨子:私にも「踊れるインドだからよろしく」と。「なぜインド?」とかはあまり考えないようにしました。

 

星部:納品してしばらくしたら謎の男Hさんの声が入ったトラックが送られてきて、「このおじさんが歌うから」と言われて大笑いしながらアレンジすることに。


北野:私への発注は「踊れる・インド・おじさん」で・・・。

 

でか美:なんか次々と被害者の会みたいになってますがw

 

北野:BEYOOOOONDSの打ち合わせの後に「残ってくれ」と言われて「なんだ?」と思ってたらこれのMVの話で。各グループからメンバーが出演すると聞いて『℃-ute』のラストのような感動的なものかと思いきや、wikiのページをプリントアウトしたものを出されて「このオジサンが出るから」と。でも結果一番目立ったのはたいせいさん。

 

橋本:あれを見て「やっぱりシャ乱Qはすごかったんだな」と。断るだろうなと思って(たいせいに)声をかけたら「やります!」って前のめりに返事が来た。

 

(ここでMVのプレゼン資料がモニターで公開。アレがアレ過ぎて内容は詳しく書けないけど、「インドと言えばカレー」とか「インドの雄・虎 タイガージェット・シン」などの文字が・・・)


北野:発注からヤバいとおもってたけど、深夜に中野のルノアールで作ったこの企画書を見返してやっぱり気が狂ってるなと。しかもその字コンテがほぼほぼそのまま通ってる。前述の女性スタッフから「モーニングみそ汁とかセカパカの反応がせっかく良かったのに、これで北野さんの評判が失墜してしまう」と本気で心配されました。

 

あと撮影の現場では最初 山木さんから「なんだこの不審なおじさんは」と怪しまれてたんですけど、道重さんの『Loneliness Tokyo』のMVを作った人だと紹介されてからの手の平の返しっぷりが凄かった(笑)。あとこの時の衣装を担当してたのはシャ乱の衣装を見てこの業界に入ろうと決意した人で、スケジュール的に厳しかったけど無理して空けて来てくれたのだという良いお話も。

 

 

BEYOOOOONDSの話題は次の更新でまとめて

 

 ■【参考映像】

モーニング娘。'17『モーニングみそ汁』(MV)

道重さゆみ『Loneliness Tokyo』(MV)

道重さゆみ『OK!生きまくっちゃえ』(MV)

「恋はアッチャアッチャ」公式アッチャアッチャ応援隊

 

 

映画『パラサイト 半地下の家族』

カンヌ映画祭パルムドールを獲ったと話題になっていたので、『パラサイト 半地下の家族』(公式サイト)を吉祥寺オデヲンで見て来ました。私はあまり韓国映画をたくさん見てる人ではないのだけれど、そんな私でも本作を撮ったポン・ジュノ監督の作品は『殺人の追憶』、『グエムル』、『スノーピアサー』、『オクジャ』と4作も見ているから、それだけメジャーな作り手ということですな。

 

作品はとにかく映像として豊かで饒舌。アングル、カメラの上下の動きや画面の明暗、すべてが計算し尽くされていて、なおかつ象徴的な意味が込められています。物語の舞台こそミニマムですけど、映画言語による修辞を巧みに駆使した名文という感じで、この時点でそりゃあシネフィルからは高評価だよなと。そういうウェルメイドな土台の上に構築されているので、前半はある意味スプラスティックな展開でもあるんだけど、軽くもなり過ぎない。そう、このどっちに転んでもいいバランスが保たれている点が素晴らしいんですよ。

 

よく映画の宣伝文句で「衝撃の展開!」とか「予想不可能な大どんでん返し!」なんて謡われることがありますが、その多くは後出しジャンケンみたいなもので、映画そのものの面白さにあまり寄与してなかったりもします。そんな中で、本作の場合は後半のツイスト展開を経た時点で結末まで至るすべてのカードが出そろうので、結末への道筋は幾つも予想はできるんですよ。ただ、その考え得る結末が全員がハッピーな終わり方から、全員悲惨なものまで、幅がおそろしく広いし、そのどの道筋に行ってもおかしくない状態で話がどんどん進んでいくんですよね。どっちに転ぶのか、どの道筋に展開するのか、どれくらいのシリアス度で落着するのか。登場人物の倫理観はゆらゆらと揺らぎ、見ている側の感情も揺さぶられ続ける。その不安状態から徐々に、道筋の幅は狭まっていく。貧しい人が多くの選択肢を持たないのと同じように、意に反して理不尽に可能性は狭まっていく。そして些細ではあるけど、深く納得もできてしまう理由で、一つの結末に至る。うーん、やられた!

 

特に韓国映画の場合は「善人がハッピーエンド」とか「悪いヤツはひどい目に合って終わる」というような倫理収支にあまりこだわらない作品が多いので(だから後味が悪いこともある)、余計にどこに落着するのかわからない綱渡り感覚が強いように思いました。

 

あとは途中でジャンルを横断して展開していくので予定調和が通用しないというのも韓国映画に多い特徴なのかな。この映画で大富豪役をしてたイ・ソンギュンが主演をしてた『最後まで行く』もそんな感じでしたしね。

 

ミルクボーイ『BEYOOOOONDS』

なんかオカンが好きなグループがあるらしいんやけど、その名前をちょっと忘れたらし
くてね。

 

好きやのに名前がわからへんてどうなっとんねん。ほな俺がね、おかんの好きなグループを一緒に考えたげるから、どんな特徴を言ってたか教えてみてよぉ。

 

なんでもな、ストーリー仕立てのえらいコンセプチャルなアルバムを出したらしいねん

 

BEYOOOOONDSやないかい。1stアルバム『BEYOOOOOND1St』は『眼鏡の男の子』から広がる世界観の曲を多数収録してんねん。そのせいもあって、全部の曲にセリフが入るえらい変わったアルバムになってるのよ。そらBEYOOOOONDSや。こんなんすぐわかったやん。

 

BEYOOOOONDSな。でもわからへんねん。

 

何がわからへんのよ。その特徴は完全にBEYOOOOONDSやんか。

 

俺もBEYOOOOONDSやと思ったんやけどな、なんでもだいぶ長いこと活動してるらしいねん。

 

ほなBEYOOOOONDSと違うか。BEYOOOOONDSは令和元年にデビューしたところやからね。この前のレコード大賞の最優秀新人賞獲ったばかりの新風世代のアイドルなんやから。そうしたらBEYOOOOONDSと違うかー。あれ、じゃあもうちょっと詳しく教えてくれるー?

 

そのアルバムを基にした演劇要素を取り入れたコンサートをしたそうやねん。

 

BEYOOOOONDSやないかい。1stアルバムをベースとしたコンサート『LIVE BEYOOOOOND1St』は、曲と曲の間に寸劇が散りばめられてるのよ。コンサートというよりかは一つの作品を見たような気持ちになるのよ。高瀬くるみさんもそう言ってたんやから。BEYOOOOONDSや、だから。

 

わからへんねんな、でも。

 

何がわからへんのよー?

 

俺もBEYOOOOONDSやと思ったんやけどな、おかんが言うにはな、アニメのテーマソングにもなってるらしいねん。

 

ほなBEYOOOOONDSちゃうかぁ。BEYOOOOONDSは世界観は強すぎて何かのテーマソングには合わへんのよ。むしろBEYOOOOONDSをアニメ化して欲しいくらいなんよ。あれ、じゃあもうちょっとなんか言ってなかったー?

 

なんでも、おかんが見た時にはメンバーの一人がキーボード弾いてたらしいねん。

 

BEYOOOOONDSやないかい。メンバーの小林萌花さんは音大生でピアノコンクールにも出たことがあるガチの実力者なんよ。会場によってはピアノ置けないこともあるけど、曲中でその腕前をよう披露してるがな。ダイバーシティ公演で弾いてたグランドピアノがガワだけ被せた電子ピアノやったらしいのには驚いたけども。あとたまにショルキーも弾いてます。

 

わからへんねんでも。

 

何がわからんのよー

 

俺もBEYOOOOONDSやと思ったんやけどな、オカンが言うにはソロ活動してるメンバーもおるらしいねん。

 

ほなBEYOOOOONDSと違うか。BEYOOOOONDSにはCHICA#TETSUと雨ノ森川海とオーディション組と中に3ユニットあるけど、今のところソロはないもんね。一岡さんの大井町線のアンバサダーのことをあんま「ソロ活動」とは言わへんもんね。ほなBEYOOOOONDSと違うかー。あれー? もうちょっと何か言ってなかったー?

 

なんでもTKサウンドの曲があるらしいねん。

 

そらBEYOOOOONDSやがな。『ニッポンノD・N・A!』は星部ショウさんがTKサウンドのコード進行をあえてそのまま取り入れた曲なんよ。サビの勢いとキャッチーさは抜群で、ハロプロ楽曲大賞でも2位になったんやから。あと間奏の未成年の主張のパートでみんなで「なーにー?」と叫ぶのがえらい楽しいんやから。

 

わからへんねんでも。

 

何がわからんのよー

 

いや、おかんが言うにはな、たまにメンバーの一人が手持ち無沙汰にしてるらしいねん

 

ほなBEYOOOOONDSとちゃうかぁ。BEYOOOOONDSはメンバーが12人もいるけど、それぞれ別の役割を持ってバラバラの振り付けをしたりしてて、全員目が離せないのよ。コンサートも12人それぞれ追いたいけど、目が追いつけへんのよ。ほなもうちょっと何か言ってなかったー?

 

なんでも眼鏡みたいなもんをかけてるメンバーがいたらしいんやわ。

 

そらBEYOOOOONDSやがな。代表曲『眼鏡の男の子』はタイトルの通り、眼鏡の男の子を前田こころちゃんが演じるのよ。あんな綺麗な子がカッコいい男の子になって、40過ぎたオジサンでも乙女の気持ちになってキュンキュンするのよ。そらもうBEYOOOOONDSで完全に決まりやがな。

 

でもな、オカンはBEYOOOOONDSじゃないって言うねん。

 

ほなBEYOOOOONDSじゃないやないかい。オカンがBEYOOOOONDSじゃないって言うならBEYOOOOONDSちゃうがな。先言えよー。俺がこころちゃんに関する性癖を暴露してる時どう思っててん

 

申し訳ないよ、だから

 

ホンマにわからへんやんー。どうなってんねんもう。

 

でオトンが言うにはな

 

ほう

 

TMネットワークやないかって

 

ん・・・・・・

 

それやがな! コンセプチャルなアルバムて『CAROL』のことやがな。そのアルバムを元に舞台要素を取り入れたコンサートも『CAROL』ツアーやがな。

 

ああ、そうか!

 

「TKサウンドの曲がある」とって、TKサウンドそのものやがな。ややこしいな。

 

オカンは木根尚登のことが好きやから

 

知らんがな。木根さんが作曲した『Come Back to ASIA』は名曲ですけども。ほなキーボード弾いたって言うのも小室哲也のことやんか。あと確かに何度もアニメのテーマソング歌ってます。

 

宇都宮隆はソロもやってるしね。

 

お前のオカンが言ってたこと全部当たってたがなー。ほな「眼鏡みたいなもんをかけてるメンバー」て・・・

 

サングラスした木根尚登やな。

 

そうやがなぁ。「手持無沙汰にしてるメンバー」も木根尚登のことやんか。お前のオカン、木根さん好きな割に手厳しいな。

 

そうやな。

 

あらぁ、完全にTMネットワークやったわー。

『眼鏡の男の子』のヒロインは誰なのか?

実はLIVE BEYOOOOOND1Stの寸劇ではセリフで一点だけ違和感があった所がありまして、それが、3曲目『文化祭実行委員長の恋』への導入部分の寸劇で、西田さんが桃々姫を「ねぇ、ヒロイン」って呼ぶこと。というのも、やっぱり私の中では『眼鏡の男の子』のヒロイン(=女主人公)は山﨑夢羽さんなんですね。

 

偶然見かけた相手に一方的に恋をし、友達に相談しては勝手に凹んだり盛り上がったり、トキメいて、失恋して、ズッコけて ・・・。『眼鏡の男の子』曲中の夢羽さんは実にドタバタと生命力に溢れているじゃないですか。これぞまさに青春。大人になってから振り返ったら詳細は全然覚えてないのに「あの頃はなんで毎日あんなに楽しかったんだろ?」って思い返すヤツですよ。

 

ちょうど先日発売された『ダ・ヴィンチ』のハロプロ特集内で、犬山紙子さんがハロプロの好きな曲に『眼鏡の男の子』を挙げて、「女の子主体の女の子が楽しいやつ!!」とコメントされていました。まさにこの楽しい世界観の中で「ヒロイン」になる必要条件というのは、王子様と結ばれることじゃない。男から選ばれることなんかじゃない。フラれても「私の何が悪かったのかな・・・」なんて内罰的に考えるんじゃなくて「たいしたことないじゃん!」と負け惜しみを言い放つぐらい、恋も日常も自分が主役の人生を生きていること。つんく♂の言葉を借りるなら「自分名義の恋」をしていることだと思うんですよ。

 

 

だからやっぱり誰よりも生き生きとしたポジションの夢羽がヒロインだと思うんですよね。もちろん基本的にはBEYOOOOONDSの全員が主役で全員がヒロインだとは思っていますよ。実際この『眼鏡の男の子』ユニバースの中でも視点を変えれば別のメンバーがヒロインとなった物語が立ち上がります。『文化祭実行委員長の恋』では桃々姫が、『恋のおスウィング』では島倉お嬢様がヒロインとなりますから。

 

そういった意味では、件の寸劇は『文化祭実行委員長の恋』の導入部なんで、それで桃々姫をヒロイン呼びしているとも考えられるのですが、この寸劇時点ではまだ『文化祭~』の内容が明かされる前だからやっぱり違和感があるなと思った次第でありました。

 

 

 

■『眼鏡の男の子』の顔芸が好き

私が感じている『眼鏡の男の子』という曲の大きな魅力は、メンバーのいろんな表情が見られることです。基本的にはアイドルソングって可愛く笑っているか、クールに決めているか、勇ましくドヤってるか、蠱惑的に微笑んでいるか、一曲の間はそのどれかになりがちじゃないですか。でもストーリー仕立てになっている『眼鏡の男の子』の場合、その物語の進行に沿って、怪訝、驚愕、悔しいと、とにかく普通のアイドルソングの歌中じゃあり得ないような表情を、たくさん見ることができます。私はそれが好きだし、この曲のステージを何度見ても飽きない理由の一つなんだなと。

 

顔芸で言うとやっぱり演技力が光るのは高瀬くるみさん。あと島倉お嬢様の変顔もたいがいですよねw あのギャップは素晴らしいと思います。

 

 

 

 

コンサート中の撮影について

Hello!Projectにおいて、スマホでの撮影が許可されたコンサートが実験的に実施されています。その中で年末のカウントダウンコンサート(12列)、ハロコン3日昼(26列)、ハロコン3日夜(最前列)、ハロコン4・5日(在宅)と経験したので思う所を書いておきたいと思います。撮影機材はiPhone8です。

 

 

■カウコン(12列)、ハロコン3日昼(26列)

12列の時点で既にメンバーの写真としては画質が低過ぎてお話にならないレベル。ただし自分の席からの視界や会場全景の写真を記念に残しておけるのは嬉しいかも。同じ公演に何度も入っていると意外とどの公演をどの席から見たかこんがらがってしまうので個人的記録としても良い。

 

また後方から見ていて特に邪魔になるほどスマホを掲げて撮影している人は見当たりませんでした。

 

 

ハロコン3日夜(最前列)

最前列からならさすがにそれなりに良い画質の写真が撮れます。

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これをツイートしたのがコチラ

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800件近い「いいね」がつきフォロワーが10人ほど増えました。今後はこうしたSNSでの反応がモチベーションとなってより積極的に撮影に臨む人は増えるかもしれません。とは言っても現状ではやはり皆さん盛り上がり優先ですけどね。

 

結局は拡散力の高い画質の良い写真を撮れるのは5列目までの良席のみ。そう考えるとただでさえ恵まれた良席にのみコンサートの楽しみ方の選択肢が増えたと言えます。またメンバーによっては撮影者のカメラに向けて視線を送ったりポーズを決めたりするので、その様子を後方から眺めるのは凹むかも(※)。そういった意味では撮影によって「座席間格差」がこれまで以上に広がったと言えます。

 

 

ハロコン4・5日(在宅)

意外とこの在宅での感想にこそ自分的な気づきがありました。

この日は京都の実家に帰省していたのでコンサートには参加できず、在宅でチラチラTLを追うことに。このように自分が行けない日に現場があると寂しく感じるものでしたが、これがTLに臨場感のある現場写真が流れてくるとちょっと寂しさが紛れるんですよ。これからしばらくハロコンが全国を回って現場がない日々が続くと、例年ならかなり長い間ハロプロ現場から隔絶されるわけですが、現場からの写真がSNSに流れてくることで疎外感が緩和される気がしています。地方住みだったり学生だったりと、そもそも現場に行く機会が少ない人にとっても嬉しいのでは。

 

 

つまりは「会場内での座席間格差」は広がったけどれども、より視野を広く取ると、「現場」と「在宅」の格差や距離感はむしろ縮まったと言えるのではないでしょうか。地方在住のファンやライトファン層へのアピール手段を拡充させたいハロプロにとっては、これはなかなか良い施策のように思えます。自分が東京在住のヘビーユーザーなもんだから、その視点は抜けていましたね。

 

そういうわけで、当初は私も「コンサートで撮影なんて」と思っていたクチだったのですが、意見を改めたいと思います。残る問題はルールに反して動画を撮る人や、ただでさえ視界が悪いライブハウスではどうなるのか。まだ試験段階なのでそのあたりは様子を見ながら本格的に導入されるのかどうか決まっていくのでしょう。できれば全員がルールを守って、新しい楽しみ方として多くのファンに資するものになればいいなと思っています。 

 

(※)レス厨にレスするメンバーを見るのがあまり快くはないように、撮影者に向けてポーズを撮るメンバーを目にするといい気はしないという人もいるかもしれません。ただ撮影の場合は、撮影者個人へのレスというよりは、その写真を目にする多くのファンに向けてのサービスだと考えた方がいいかも。実際見た感じ、おそらく真莉愛、生田、ムロあたりはそんな感じで、ライブビューイングのカメラに表情をキメる感覚に近いんだと思います。

 

撮影していると、メンバーが自分個人にレスをくれているのか、カメラの向こうの多くのファンに向けてサービスしているのかは、意外と判別できるものだなと感じました。

 

 

 

■撮影例:最前から撮影した牧野真莉愛さん

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牧野真莉愛さん。脚をヒザでクロスさせ、足首でさらにクロス。伸ばした指先まで神経が通ったポージング、そこからさらに顔を上げて2階席に手を振る愛嬌。アイドルとして完璧!

 

それはそうと後ろの加賀さん、直立不動の気をつけからロボットのように腕を上げる姿を見てると無限に愛しさがこみ上げて来ませんか?

 

2人を見比べるとつくづくアイドルとしての魅力に決まった「正解」なんかないなと思えますね。 いろんな魅力を持ったメンバーが一緒に頑張れるからこそ素晴らしい!

Hello!Project 2020 Winter Hello!Project is[  ]

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新年を迎え、撮影可とジャンプ禁止という二つの要素が加わった新しいハロコンに1月3日に参加しました。昼のB公演は26列。夜のA公演は最前列の一番端。浅倉樹々ちゃんはインフルでお休み。宮本佳林ちゃんは病み上がりでの参加。

 

■撮影可

これに関しては別更新で。

 

■ジャンプ禁止

やはり飛びたくてウズウズする場面はありますね。屈伸で対応したけど筋肉痛だよ(汗) でもマサイとかに視界を塞がれないという安心感はあります。今度どうなっていくのかなぁ。警備の見回り頻度が上がったという意見もあったけど、私の印象では頻度は今までもあんなもんかと。1曲1往復ぐらい。

 

 

こぶしファクトリー

私はBEYOOOOONDSの面白いところが好きなんだけど、それでもカウコンとハロコンを見て、パフォーマンスの王道で研鑚を積む先輩グループの地力の強さ見せつけられた気分もあるんです。そして今回それを特に感じたのがこぶしファクトリーでした。もちろんビヨも高いスキルに下支えされた上で面白いネタをやっているわけだけど、ただ歌中の歌詞の聞き取りやすさに関しては難があると前から思っていたんです。

 

その点、本当に段違いでこぶしは聞き取りやすかった。この聞き取りやすさって、もちろん人数が少ないこともあるけど、思うにアカペラ歌唱の経験を重ねたことで、発声のタイミングや音程の合わせ方の精度が一段上がっているんじゃないかなと。特に『明日の私は今日より綺麗』みたいなミディアムテンポの曲の方が合わせるのは難しくて、普通は歌い出す瞬間でちょっとバラけるものなのに、息を吐き始めてから“声”になるまでの0.0数秒のタイミングまでバッチリ合ってて驚愕しました。

 

また『好きかもしれない』ではれいれいのソロからユニゾンに移行していくんだけど、5人の声や発声のタイミングがしっかりそろっているので視点が拡散せずにギュッと焦点が集約される感覚が継続するんです。これは一人の女性の心情をフォーカスしたストーリーを歌う上で非常に有効に機能しているように感じました。当初はこぶしのアカペラへの取り組みを「アイドルがそんなアカペラに力を入れてもな」と斜めに見てたけど、確実に「表現力」というアイドルとしての本道に還元されていますね。。

 

 

■BEYOOOOONDS

一方のBEYOOOOONDSは、『眼鏡の男の子』をアンジュルムとキャスト入れ替えで披露してそのフォーマットの優秀さを証明しました。

 

Bパターンでは、BEYOOOOONDSとアンジュルム、こぶしとつばき、Juice=Juiceとモーニング娘。がそれぞれペアとなり、互いの持ち歌を入れ替えて歌うという演目があったのですが、ビヨ&アンジュはそのトップバッターだったので、最初はそれを知らずに普通に桃々姫が袴で出てきて『眼鏡の男の子』が始まるのかと思ってたら、桃々姫の後ろから室田さんが出てきて「あ、さてさて」と始めるわけですよ。ウザい女子高生タケにやたら地団駄がダイナミックな桃奈お嬢様、そして眼鏡の佐々木莉佳子。こういう入れ替えものは個々人の歌パートや演者のキャラクター性がはっきりしているほど面白いわけで、『眼鏡の男の子』はまさにもってこいだったわけですね。Bパターンの一番の見所だったと言ってもいいかと思います。ももちの「許してニャン」とかミルクボーイのネタみたいに、他人にやらせたり、別のナニかを代入して成立する拡張性があるのは強いですね。

 

前田こころちゃんは大好きな佐々木莉佳子さんにつきっきりでフリを教えたりしたんだろうか。想像すると心がほっこりします。

 

代わりにBEYOOOOONDS中心で『人生すなわちパンタ・レイ』を披露。冒頭のセリフはまさにくるみんの本領発揮! ・・・と思っていたらこの役割は回替わりらしい。

 

どうするのかと懸念されてた『元年バンジージャンプ』は『新年バンジージャンプ』に変化。このアメーバのような柔軟性もBEYOOOOONDSの強みですね。

 

 

つばきファクトリー

つばきファクトリーはとにかくきしもんの歌が良かった! 普段はあんなおちゃらけキャラのクセに! ギャップゥゥ! そしてりさまるは曲中での自分のキャラの使い方を完全に把握していた。

 

この2人のおかげで、さゆがいた頃の娘。のMVみたいに、「キメでこの子を投入しとけば全体の印象が締まる」という勝利への方程式がハッキリしていた。 そして組み立てがしっかりしてるからこそまおぴんがゴール前にフリーで走り込める図式。

 

あとは谷本あんみぃが、私の記憶より数段歌が上手くなってて驚いた。これは下手メンからスキルメンに進化したあーりーコースあるな。

 

 

■Juice=Juice

一方でメンバー個々人のスキルが極まっているのにグループとしての印象がちょっと薄かったのがJuice=Juice。でもこれは私が新メンバー2人に馴染んでない上に、エースメンバーの宮本佳林ちゃんが病欠&病み上がりで精彩を欠いていたので致し方なし。

 

アンジュルム

和田リーダーの卒業後に中西さんと勝田さんが立て続けに抜けたアンジュルム。ただ年長としてタケ一人が上にいる構図は和田リーダー時代に近いバランスを感じてまとまりはいいように思いました。それだけにこの体制でもうしばらく落ち着いて欲しかったのですが・・・。まぁ、メンバーの卒業・増員はハロプロの宿命なので致し方ないか。

 

モーニング娘。’20

私はモーニング娘。の歌パートが極端に偏っているのがこれまであまり好きじゃなかったのですが、『ラブペディア』などで随分とそれが緩和された印象。加賀さんや生田の見せ場もチラホラあったし。曲的にも『人間関係No way way』と『ラブペディア』が久しぶりに私的にヒットだったこともあって、かなり楽しめました。

 

 

■シャッフル

シャフルの組み合訳はsideAは加入期ごと。sideBは生まれ月ごと。同期ユニットは「エモい」と評判だったんですけど、実は私は誰が何期で入ったか詳しくないので、いまいちピンと来てなかったり。かえでぃーの同期とかメンバーが頻繁に発信してくれてるのはさすがに把握してるけどね。

 

 

 ■Hello!Project is[  ]

人生ですね。東京での友人はほぼハロヲタですし、妻さんともハロを通して知り合ってるので、ハロがなかったら人生に何もなくなってしまう!