えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

結婚したらアトピーが治った話

30代前半から10年近くアトピー性皮膚炎に悩まされ、ステロイド剤による治療を続けていたのですが、結婚して1年ほどで問題ないレベルにまで症状が治まりました。考えられる理由としては
・食生活の変化。ジャンクフードとコンビニ弁当主体から、自炊へ
・畳からフローリングにリフォーム
・フローリングにした結果、掃除の頻度が上がった
この3つのいずれか、あるいは複合的な要因でしょうか。ありがたい限りです。



とは言ってもジャンクフードやコンビニ弁当を悪者扱いしたいわけではないのです。フリーランスの仕事に就き、真っ当な社会人と同じサイクルでは生活していなかった私にとって、24時間営業しているチェーン店やコンビニはまさにライフラインと言うべきものでした。それらがなかったら仕事を辞めて実家に帰っていたかもしれません。感謝しかありませんし、今でもたまに無性に食べたくなります。


また「こうしたら治る!」と推奨したいわけでもありません。病気というのは本当に十人十色で、誰かに効く治療法が他の人に効くとは限りませんし、また諸事情で生活を改善できないこともあります。だから自分が治った体験を押し付けても「そんなのとっくにやってるわ!」や「それができれば苦労しねーわ!」を引き起こす可能性が高い。「治る」というのも一つの成功体験なので、ついつい他人に薦めてしまうものですが、たとえ純粋な善意からでもそれが迷惑になる可能性は意識しておきたいものです。



2chなどのアトピー関連スレではアトピーのせいで人生の各種イベントにコミットできないことへの恨み節に溢れています。そしてそんな地獄をさらに苛烈にしているのが、私のようにたまに治る人がいることなんです。同じ地獄にいたはずの者の中にたまに救済される者が現れる。それによって「なぜ俺だけが」という理不尽さはいつまでも鮮度を保って胸を焼き、また「自分も治るかも」という希望を手放すことができないからです。諦めることができないというのは、ある意味では絶望するよりも辛いことですから。


自分だけがそこから抜け出、地獄を地獄たらしめる一助になってしまったことに罪悪感はやはりあります。だけど今は自分に訪れた幸運と生活改善に寄与してくれた人たちに感謝することに集中していたいと思います。

好きも悲しき『BRAND NEW MORNING』

アイドルグループの「歴史」を前に押し進めるのはシングル曲のリリースである−−。


と大上段に始めましたが、少なくとも今まではそうだったと思うんですよ。特に増員と卒業を繰り返すモーニング娘。においては、どれだけこのままでいて欲しいと願っても、新しいメンバーでのシングルがリリースされることで新しい体制が始動する/否が応にも始動してしまう、そういう面があったと思っています。そうやって楽曲とグループの時勢を紐づけて長年モーニング娘。を眺めていた私ですが、最近はEDM曲が量産されたこと、そして両A面/トリプルA面が連続したこともあって、どの曲とどの曲がセットなのか、どの曲がどのタイミングでリリースされたかの認識がかなり曖昧になってしまっていたんです。言ってしまえばそれは「歴史」観の散逸であり「物語」の喪失です。ですからそんな自分に対し危機感を抱き、また寂しい想いも抱いていたのでした。そうした中で今年にリリースされたのがこの『BRAND NEW MORNING』です。


ですから私がこの曲でまずは嬉しかったのは、「13期加入曲」という押し出しが明確であることでした。今というタイミングを同定し、涙もろい苦節の人・加賀楓と笑顔のルーキー・横山玲奈。対照的な2人を迎え入れた新体制を「新しいモーニング娘。」として打ち出した曲。真紅の錦旗の下、儀仗兵のごとき衣装に身を包んで行軍し自らを鼓舞するアジテーションソング。新メンバーの加入を言祝ぎ、その慶事をグループの推進力に変換せんとする、曲に込められた意図は明快。私はそれに高揚しました。要は「アガがった」んですね。


スルメ曲度合には『ジェラシー ジェラシー』に分があり、私も最終的にはそっちの方が回数は聴いてはいるのですが、やっぱり従来的には初週のオリコン順位などを以てお茶の間にコミットする使命を持つシングル曲ですから、瞬発力 = ルックスを含めた初聴でのキャッチーさというのも重要な要素。この対外的キャッチーさと、グループの歴史の道標という二つを以て、『BRAND NEW MORNING』は私がシングル曲に求める役割を十全に果たしていると感じました。


ちなみにアップアップガールズ(仮)などにはよく見られるこうした「自己言及ソング」ですが、意外とこれまでモーニング娘。にはありませんでしたね(『本気で熱いテーマソング』ぐらい?)。そこには何らかのつんく♂さんなりの線引きがあったのかもしれません。そうした意味でも、非つんく♂曲らしい踏み込みでもあり、新鮮ではありました。


そんな風にしてお気に入りとなったこの曲ですが、喉に刺さった骨のように気になるフレーズが一つ。
誰よりも「最強」!
これです。


まずダサい。これなら適当なJ-POP英語の方がなんぼか良かったような。「The BRAND NEW MORNING is rising NOW!」とかなんとか。


そしてファンの心性に微妙にそぐわない。「強い」という指標、それも「誰よりも」という他者との比較において成立する指標が、ことアイドルファンの心性にはベストマッチ!とはいかないわけです(所謂「イキリオタク」の人なんかは合いそうな気もしますが…)。世間的には『ふるさと』よりも『LOVEマシーン』の方が“強い”わけですが、「『ふるさと』も良い曲なんだよね」と言いたいのがファンというもの。2番の“今よりも最高”にしても、歌割が増えた生田を称賛しつつも、「る」の一文字に賭ける姿もまた愛おしいと思い、それに寄り添うのがヲタというものです。そういったファン心理との齟齬がある中で、まさにBメロからサビへと移行する要石の部分にこのフレーズがあることで、微妙な躓きを感じ、ギアがトップに至らない−−。惜しい。



そしてこの曲が真に残念なのはリリースの後の取り扱いにあります。不可解なカントリー・ガールズへの措置と森戸さんのモーニング娘。への移籍加入により13期の新メン期間はなし崩し的に終了を迎え、この曲が幻視せしめた「新しいモーニング娘。」の快進撃も画餅へと帰してしまいました。この秋のツアーでは「工藤卒業」と「モーニング娘。20周年」に重心を置くあまり、コンサートで披露されないという有様です。『若いんだし』リリース前のツアー開始時点では直近のシングルであるにも関わらず! ひどいよ!



そうした不憫さもありつつですが、やはり私は13期のデビュー曲であるこの『BRAND NEW MORNING』が愛おしい。ハロプロ楽曲大賞では『ジェラシー ジェラシー』の方を上に入れてしまいそうなので(スマヌ…)、自分の中のこの曲への愛情の供養の意味も込めて、書き残しておきました。

モーニング娘。誕生20周年記念コンサート2017秋 We are MORNING MUSUME。

座間の2日目の夜公演に入り、「20周年記念」を謳ったモーニング娘。の秋コンに行ってきました。若干セットリストなどのネタバレを含む感想です。


■上から見たよ、フォーメーションダンス
席は2階最後列という会場でも一番天国に近い席です。ただでさえ座間は客席の傾斜角がキツい会場ですので、2階最後列ともなればステージはビルの3〜4階から窓の外の公園を見下ろすような感じ。ちょうど『Mステ ウルトラFES』で多用されていたフォーメーションダンスを見せるための斜め上からのショットに近いアングルとなりました。そこから見ていて改めて感じたのは、やはりフォーメーションの移り替わりの見事さ。X、M、Vの字と陣形が歌の進行に合わせて目まぐるしく移り変わります。しかもどれも前回から変更された14人体制に最適化された形で。これは13期、14期だけじゃなくて、既存のメンバーもカッチリレッスンを積んで挑んでいるのだと伝わって来ました。元来私はあまり「上から見て〜〜」というフォーメーションダンスがあまり魅力的ではないと思っている人間ですし、その考えは今も変わりませんが、それでもこの研鑽の成果は素直に「すごい!」と感心したものでした。
(一方で奥行きなどのギリギリ具合から、さすがにこれをナルチカでやるのは無理だろうなと…)


ちなみに上から見ると長い手足で魅せるカッコイイ系のダンスはその魅力がちょっと減退して、色気のある柔らかいダンスの方が見映えがしますね。そういう意味で小田さんのダンスがかなり好みでした。




■何パターンあるの? セットリスト

いつもなら終盤の盛り上がりに使用される曲群が冒頭の数曲に入っていて、「いつものパターンじゃないぞ!」と気を引き締めました。個人的には『Zガンダム』の前期オープニングのラストシーンから後期オープニングが始まるような感じで、前のコンサートの続きで始まったような印象を受けて勝手に高まりましたw


「20周年記念」ということで(そう言えばこのツアータイトルには「モーニング娘。17」の「17」が冠されていないんですね)、過去のアルバムからセレクトされた曲が中盤に挿入されます。ただ私が見た回では1stアルバムから2曲、2ndアルバムから2曲といったセレクトだったんです。どうも他の回ではまた別のアルバム2枚からのセレクトだったらしく、これって既存14枚アルバムがあることを考えたら全部で何パターンあるんでしょう? 7パターン!? 面白い試みだとは思いましたが、正直真っ先に「ただでさえ覚える曲が多い新加入メンバーへの負担が多過ぎないか!?」と心配に(汗) ただパフォ―マンス自体は1st、2ndは好きなアルバムですし、曲のパワーもあるので、古参ヲタとして大いに盛り上がりましたね。


後半パートも何パターンかあるみたいです。ここも珍しい目の曲が多く、最近ではレギュラー入りしてなかった曲が多い構成だったかな。ただレギュラー入りしてないだけあって曲のパワーは少し大人しめの印象でした。




■毎公演くどぅーのラストコンサート
今回のコンサートでは
1・モーニング娘。20周年
2・工藤遥の最後のツアー
3・森戸さん初ツアー
といくつかお題があったかと思うんですけど、<1>は前述のアルバム曲の試みと過去を振り返るMCなどでフィーチャーされてました。そして<2>に関してもかなり満足のいく内容でした。今回はツアー千秋楽が卒コンとしてはキャパが少ない武道館ということで、落選祭りが予想され ファンの間でも不満も出ているようです。しかしとりあえず代替にはならないまでも、通常公演でもかなり「工藤ラスト」の感慨は感じられるよう、心が砕かれた構成になっていたと思います。やっぱりその中心にあるのはつんく♂さんが贈った『若いんだし』という楽曲。涙涙の別れを大仰に盛り上げるという所謂「卒業ソング」ではなく、これから旅立つ若い人の肩の荷物を少し軽くしてくれるような、メンバーに寄り添ったつんく♂さんの親心が感じられる楽曲で、この曲をラストシングルとして卒業できる工藤は幸せ者だなと、しみじみ羨ましく思いました。それではここで聴いて頂きましょう、飯田圭織さんの卒業シングル『ザ・マンパ(ry



<1>、<2>に関してはほぼ満額回答が出ているように思いましたが、それとバッティングするのか、「3・森戸さん初ツアー」に関しては、構成面にまでは組み込まれていませんでしたね。メンバーはMCで何かと触れてくれるのですが。このあたりは今回の回替わり曲数がやたら多いツアーに参加する苦労の量を思うと、もっと大々的に森戸さんをお迎えする構成でないとちょっと可哀想に感じました。新メンがあまりフィーチャーされないのは娘。の常ではありますが、森戸さんの場合かなりイレギュラーな形での、本人にも複雑な想いを抱かせての加入でしょうから、せめてここで盛大にお祝いして、彼女の苦労・心痛に報いてあげて欲しかったという気持ちはあります…。



■心で泣いている(?)リーダー
さすがに14人は多過ぎて一人一人挨拶していたら進行がダレるという判断なのか、今回は挨拶MCは回ごとの選抜メンバーで行う形式のようですね。正解だと思います。最後のMCでフクちゃんが
「先日の20周年記念イベントでは『おめでとう』なのか『ありがとう』なのかわからないって言ってたんですけど、今モーニング娘。を背負っているのは私たちですから、今なら胸を張って言えます。『ありがとう』!」(大意)
的なことを言ってたんですよ。やっぱりそれは私たちファンも言って欲しかったことだから、大いに高まりました。


本当はね、メディア取材もたくさん入ってた20周年記念イベントでそれを言うべきだったのかもしれない。目端の利く子なら、周囲の人や客が何を言って欲しがってるのかや、何を言えばウケるのか察して、そう言えたのかもしれません。だけどフクちゃんは自分の中にない言葉を言うことはできない。それをもって彼女を批判する人もいるかとは思います。だけどその分、彼女が発する言葉は、他人の中にあったものではなく、彼女自身が体感を通じてその胸に確実な実感として掴み取った言葉です。だからこそその真実性が胸に迫る。だからこそ信頼できる。そうやって確かな信頼を積み上げていく力もまたリーダーの資質だと思うのです。


そして私は、フクちゃんが「自分たちこそがモーニング娘。だ」というその自信と実感を、メディア出演でも、1回きりのイベント(※でもなく、コンサートを通じて獲得してくれたことが嬉しい。私たちファンもいるコンサートが、彼女たちが自信と誇りを得る場となっていることが嬉しい。そこにこそ、コンサートのステージ上にこそ、モーニング娘。の本道があると信じていたいので。




追記:あ、あとセトリ的な不満を一つあげると、『BRAND NEW MORNING』をやらなかったこと。次のシングルの発売が決まっているとは言っても「最新シングル」なんだしさぁ! これを含めて、「13期が新メン」の期間があまりに短かったことは残念なんだよね。もう少し2人が新メンとして推されている姿が見たかったよ・・・。



※イベントのタイミングでその実感がなかったことは仕方がない。だって直前にカントリー解体と森戸さんの加入という気持ちの落とし所が見えない意味不明な人事に巻き込まれた中で、イベントを成功させる状況にまとめ上げただけでも立派なものです。