今年上演された舞台『ステーシーズ 少女再殺歌劇』からのスピンオフで、ゲストに演出家の末満氏と原作者の大槻ケンヂを迎えてのファンサービス企画です。石田さんが足の捻挫でトーク以外には不参加。特に事前に準備が必要だった演目もなく、メンバーにとっても客にとっても気楽に見ることができる企画で、まさに私が普段言うところの「他愛ない、だけど幸せな日常の一コマ」という空気でした。本人たちがいかに楽しんでいたかは田中さん本人のblogを見て頂ければ。
■裏話トーク
香音ちゃんとだーいしは『再殺舞台』の最後の「抱ーいーてーあーげーるわー♪」の高音が出るかと2人で何度も試してみたらしい。その話から「やってみてー」という流れになり、香音ちゃんが歌披露することに。これがかなり巧くてメンバーからも絶賛されていました。しかも一番声を張るところではマイクを気遣って、一瞬ヘッドセットマイクを手で外して会場に生声で響かせていた。香音ちゃんの歌が十全活かされるようになったらもうモーニング娘。は無敵やで!
■キャストシャッフルコーナー
役柄を入れ替えて1シーンを演じるコーナー。あくまでお遊びコーナーなんで、笑っちゃう人、真面目に演技をする人と臨む姿勢はまちまち。ただ、やり方はバラバラなのに、それぞれのメンバーが自分の個性やアピールポイントが最大限活かされる方法でアプローチし、結果を出していたことに感心させられました。
佐藤さん>天真爛漫
オーケン相手に詠子を演じる。そもそもが日本語を読むことすら怪しくて、カンペをガン見しながらでもつっかえつっかえ(そしてまーちゃんがつっかえる度に後ろで腰を浮かしてフォローしようとするくどぅーw)。とにかく照れて笑っちゃってて「芝居」にはなってないけど、無邪気な笑顔とジタバタする様に会場中がホッコリ。末満さんからは「何が起きるかわからない、パルプンテ佐藤」という有難い二つ名をもらっていました。
飯窪さん>トーク
生田相手にモモを演じる。真面目にやろうとはするんだけど、相方の生田の動きがキモ面白くて撃沈。終わった後のトークで「生田さんを前に笑いを堪えるのは無理でした…」と笑いにつなげ会場を沸かしていました。最後に照れてクルクル回りながらステージ外に消えて行きましたが、本読み中は基本的に棒立ち。
鞘師さん>スキル+リアルドジ
ドリューを演じたのですが、セリフもかなり入ってて、しかも動きの演技もかなり本番に近い形で再現。基本的にはしっかり演じ切ってました。だけど「ハームー恵ー! ハームー恵ー」と叫ぶシーンで思いっ切り「キーミー恵ー! キーミー恵ー!」と叫んでしまい、真面目にやり切っていただけに恥ずかしさMAX! 舞台上で悶絶しちゃってました。
鞘師さん>スキル+変態
田中さんを相手にモモを演じる。第一声目からかなり役に入っていて、カンペもあまり見ずに演じ切っていました。田中兄「誕生日プレゼントなにが欲しい?」→譜モモ「何にもいらないよ」→田「じゃあげないw」→譜「DSが欲しいですw」なんて風にアドリブにも即座に対応してて余裕を感じさせましたね。演技終わりに田中さんと抱き合ってたんですが、終わった後に感想を聞かれて「ノリで田中さんを抱けて良かったです」と低い声で語ったのがもうワロタレベルではない。譜久村ちゃんのダークサイドの声を聴いてもうたで…。鞘師も「モモやってたら田中さんを抱けたのに」とかぶせてたけど、目の本気度が違います。
■ミニライブ
セットリストは
ミルクコーヒーダンス(開演時)
ライダーマンの右手
違法再殺少女ドリュー
キマグレ絶望ありがとう(神様の気まぐれ)
再殺部隊
『ライダーマンの右手』と『再殺部隊』にはオーケンも参加。やっぱりスター性ありますなぁ。『再殺部隊』の間奏セリフは、特攻服をまとったオーケン氏が原作の文庫本を片手に朗読→読み終わって舞台袖に投げ捨てるというアングラ劇っぽい演出。痺れます。ちなみにその間れいなは例のその場で走るフリをするエア走りを続ける。でも息が続かず3回ぐらいヒザに手をついて休んでたw 最後にステーシ−達に襲われるシーンでメンバーたちは楽しそうにれいなに襲いかかってじゃれてました。
そして本番時の透明感に力強さまで加わった鞘師モモの『キマグレ絶望ありがとう』。鞘師さんの歌唱は『One・Two・Three』でもリリースイベントとハロコンの間で進化してたんですが、それがここにも表れてましたね。ダンスしながらではない分、より明瞭にその進化が味わえたかも。
ドリューの歌はそもそもドリュー本人が踊りまくってるから他の人が歌うことになってたんだろうから、ここを工藤が踊りながら歌ってたのでさすがに辛そうでした
ラストのMCで口ぐちに再演希望を語る娘さんたち…。
どんな感動的な体験も2回目以降はその鮮度を失ってしまいます。私なんかはそれで落胆してしまうことを恐れ、「美しい思い出にとっておきたい」と2回目以降の挑戦に尻込みしてしまうクチです。だけど娘さんたちはまだそのことを知らないのか、あるいは毎日新しい初めてに出会う生活をしているから一つや二つの失望なんか一切恐れないのか、「楽しかったから、充実してたから、またやりたい!」とまっすぐに希望を語る。そのことに置いていかれたような気持ちになってオッサンはちょっとだけセンチな気持ちになったりもしました。
その日の大槻ケンヂ氏のblog
>それにしても現在のモーニング娘。さんはスゴい。かっこいい。YouTubeで「One Two three」と「The 摩天楼ショー」の(Dance Shot Ver)観たなら誰もが圧倒されるかと。
至言!