えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

薬物問題

人を壊すのに、全人格を破壊する必要はなくて、脳内のスイッチを一つ入れ替えるだけで、その人の知性や意志力はそのままに見る影もなく無残な人間にしてしまえる。「何を幸せと感じるのか」。それを書き換えるだけで人間は壊れる。クスリの怖さとはちっぽけな化学物質で、人間の持つ社会性とか倫理とか性格などの「自己」を規定していたハズの要素がいとも簡単に崩れる、そのあっけなさにある。自己の核心というものの足場が崩れるような不安感。


貴志祐介が描くホラー系小説の怖さもこれに通じるものがある。『ISOLA』とか『天使の囀り』とか。前者はよりオカルト寄りだが、むしろ実際にありえそうな、科学的根拠を用意している後者の方が怖い。