えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

日々の日記


免許証の再交付のために府中の試験場へ赴く。


手続きから交付まで1時間くらい待ち時間があったので
地下の食堂でカレーを食す。


なんと言うかスキだらけの味であった。
しかもご飯の量に対してルーが少な過ぎた。
なんとも言えないわびしさと虚無感が訪れる。


「モノを食べる時はね
 自由で なんと言うか
 救われてなきゃダメなんだ
 独りで 静かで 豊かで…」


という『孤独のグルメ』のセリフが思い出される。


食べ終わってもまだ時間がある。
本社から別館までの間には献血カーが止まっていた。
そう言えば今は緩和されたらしいけど、
90年代に渡英した私はクロイツフェルト・ヤコブ病の嫌疑者ということで
以前は規定により献血はできないことになってたっけ。


と言っても罹っている割合は数万分の一とかのハズだし
そもそも潜伏期間の50年を過ぎて
この病気が発症したとしてもその頃は既に71歳。
ヤコブ病と実際の痴呆症との区別はつかないと思う……。



画像は献血のマスコットキャラ「けんけつちゃん」。
ポケモンっぽい………


クロイツフェルト・ヤコブ病と言えば
海外ドラマの『LAロー 七人の弁護士』
ビーンズ判事を思い出す。
発症して痴呆が進む判事に対し、
そのことに気付いた判事の愛弟子であるゾーイ検事が
退職を勧めるのだが、仕事を愛する判事は
結局法廷で自殺してしまうという救いのないエピソードだ。


家に帰って悲しみに暮れるゾーイの元を
元旦那のトミーが訪れて彼女を慰める。
若くて目を見張るほど美人のゾーイに対し、
パッとしない風采の中年でいつも借金を抱えてるトミー。
誰もが「あの美人がアンタの元ワイフ?」と驚く関係だったのに


「貴方にはもう頼らないって決めたのに…」


と彼に寄りかかりながら漏らした彼女の一言で、
外側からではわからない男女関係の奥の深さが垣間見える。
アレコレと具体的に説明されるわけじゃないんだけど
それだけに印象に残るエピソードであった。




ともかく待っている間に嶽本野ばら『ツインズ』を読む。

『ツインズ』は世界の終わりという名の雑貨店の続編。
前作で主人公は逃避行の果てに引き離され
愛する少女を永遠に失ってしまう。


独り生き残ってしまい、罪悪感と絶望を抱えた主人公が
どのように生きていくのか、そう思って読んでたら
今度は新興宗教にはまったメンヘラリストカッター少女に入れ込んで
振り回されててガッカリした。
表向きそういう内容だけど実は内面的には純粋な愛の物語が……
とかいったわけでもなくて、本当にそのまんま。


しかも、女性編集者の体を張った説得によって
せっかくメンヘラを振り切って海外へと逃れたのに、
夢の中で死んだ彼女から啓示を得て
再びメンヘラの元へ舞い戻るというどうしようもないラスト。

なんだかこれ読むと静謐な純愛物語だった前作まで
俗っぽく薄汚れてしまった気がして、
作者にとってどんな理由があって、
あるいはどういう必然があって、
こんなものを書くことになったのか理解に苦しんだ。




免許は無事再交付。
これで社会的自己証明が可能となる。


編集のお仕事は素材が揃えられなくて今日は進められない。
必要な撮影物のリストアップをするに留まる。