読了
『真夏の島に咲く花は』 (垣根涼介:講談社)
小説の内容とは別に本編中で解説されていたフィジーという国の背景が興味深かった。
舞台となるフィジーでは、バナナやタロ芋といった食べ物がいくらでも自生しており、元々あくせく働かなくても生きていけるために人々は総じて大らかで勤労意欲には欠ける。
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そんなフィジーをイギリスが植民地とした時に、働かない現地人にしびれを切らして大量のインド人を
労働力としてフィジーに連行してきた。
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現在でもインド人はフィジーの人口のかなりの割合(約45%)を占め、働き者な彼らは総じてフィジー人よりは裕福である。
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一方でフィジーでは土地などは昔ながらの村落共同体の管理下にあり、そのメンバーでないインド人だけが高い金を支払って土地を借りているという不平等もある。両者の不平等は何度かクーデターの原因ともなっている。
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そして最近増え始めた中国人は強引すぎる商売のやり方で両方から疎んじられている。
まったく大英帝国はいらんことしかしないな。