えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

ソウルケイジ誉田哲也
心に傷を抱えた直観型捜査の女刑事が活躍する『ストロベリーナイト』の続編。犯人、犯人の子供、刑事A、刑事Bという風にちょっと多くのキャラの心情を追い過ぎかな。登場人物の内面を描写されてしまうと、事件の謎を解明してゆく面白さは半減するというか。やっぱそこは「捜査」を通じて見えてくるべき部分なんじゃないのかなって。一人一人しっかり心情を書こうとする一方で、一人だけ「でんがな、まんがな」な関西弁を喋るマンガの3枚目キャラみたいな、リアリティレベルの設定がおかしい人物もいるのも気になったしね。


あとこの作者は爽やか青春モノ以外の作品だとすぐレイプを出してくるのが嫌だ。しかもケータイ小説と違ってレイプされた子が傷つくことで悲しい想いをする周囲の人間の心情が推察できるようにしっかり書くんで、読んでて鬱になってしまう。その際たるものが『月光』だわな。


武士道シックスティーン』→『武士道セブンティーン』
『疾風ガール』→『ガールミーツガール』
ストロベリーナイト』→『ソウルケイジ

とこの作者の続編ものを3つ読んだけど、やっぱりどれも前作の良さも悪さも続編にはそのまま引き継がれている感じ。当たり前っちゃあ当たり前だけど、面白かったものの続編は順当に面白く、それなりだった作品の続編はそれなりだ。