えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

『海の底』

有川浩:角川文庫)
【あらすじ】
突如襲来した巨大甲殻類の群れに飲まれる横須賀!
警察の貧弱な火力では対処できないが、政治的事情から、
自衛隊の出動許可はなかなか降りない。

そんな中、逃走中の子供たちを保護した二人の自衛官サブマリナーは
子供たちと共に停泊中の潜水艦に立て篭る。


「巨大な人食いエビ」という一点の大ウソを中心に、
その周囲を徹底したリアリティと組織力学の群像劇で固めたストーリー。


同作者の『空の中』が『ガメラ 空中大決戦』だったのに対して、
こちらは『ガメラ2 レギオン襲来』だなと思っていたら
そのまんま解説文にそう書いてあった。


ちょっと解説すると
ガメラ 空中大決戦』は<怪獣と「子供」の交流> と
<怪獣という非日常に日常が破壊されるカタルシス
なんかをフィーチャーしているのに対し、
ガメラ2 レギオン襲来』は怪獣という非日常に対し、
各部署のプロフェッショナルが己の職務をまっとうして対処することの
カッコ良さを描いているんですね。


そういう意味で、


縄張り意識に囚われる組織の中で
「できるだけスムーズに事態を自衛隊に引き継ぐこと」
を目的として行動する型破りな警察幹部や、


その意気を継いで戦う自衛隊


大人という役割をまっとうせんと
問題だらけの子供を保護する若きサブマリナー


とそれぞれの立場で最前を尽くさんと奔走する
大人の姿は無条件に楽しめた。


あとはやっぱ最後の3行かな。
後にラブストーリーだけのスピンオフ・オムニバスを書いてしまうぐらい
作者の本道たる部分だったんだろうけど、
とにかく普通の「恋愛小説」ではかって例を見ないほどストレートに



甘ぁーーーーーーーーーい!