えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『ペールゼンファイルズ』

今日は無職時代のボスのお誘いで『装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズ』の劇場版を見に行ってきました。お話の内容はさておき、全体として先日見に行ったストリップ劇場と非常に似通った感触を得たんですね。なんのこっちゃとお思いでしょうが、まぁ聴いて下さい。


平成の世では、街には肉体接触・射精が可能な風俗が溢れ、一方で家にいながらにしていつでも若く美しい女性の体をDVDなどで鑑賞することができます。そういった状況下でわざわざストリップという風俗を選択する直接的な理由はほとんど失われ、もはや身体的な性欲とは乖離したストリップという様式そのものへの愛着や、「あの場を味わいたい」とかノスタルジーとかいった精神的・文化的動機でそこに人は集まっているように思えるのです。


同じように『ペールゼンファイルズ』の場合、もうロボットものとしての直接的な快楽や新しいストーリーを求める気持ちは既に視聴者の側にもなく、ただ“様式美としての『ボトムズ』”を得るために足を運んでいるのではないかと。新規層へのアピールをあまり想定していないという点でも、共に“今”というものにあい対した現在進行形の文化とは言い難いでしょう。一応ロボットは全部3DCGになってるんですけどね。でもそれもストリップで「コンピュータ制御の最新の照明器具を導入しました」っていうのと同じで、時代の趨勢になにかしら影響を与えるとは、作り手すら考えていないのではないでしょうか。


まぁ、能や田楽と一緒で、世相をリアルタイムに反映する現在進行形の文化ではないとしても、ある種の伝統芸能としては成立していくような気もします。もっとも、それらを楽しむためにはある種の「作法」が必要となりますが。