えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

靖国史観

私は靖国史観というものは2重の意味で歴史教育には必要だと思っています。一つには当然、先代の想いを知るということ。もう一つは戦争の2面性を知るということ。


「戦争の美化」と批判されますが、どんな戦争も「美しさ」とは不可分です。どんな戦争も大概は、利権拡大の要求や差別意識といったエゴと共に、崇高な理念やその時代において説得力を持ち得た正義をその動機とします。


私は京都の公教育で、端的に言えば「残虐非道な悪人日本人が戦争を始めた」と習いました。でも現実はどんな戦争も美辞麗句を伴って始まります。それを教わっていないと、政治家が美辞麗句を語っていれば「この人は残虐な悪人ではないから大丈夫」などと鵜呑みにしかねません。現実と理念。歴史的事実として、その両方を教えるべきだと思います。そしてどちらのどの部分が正しかったのか、自ら思考する訓練をさせるべきだと思うのです。


私は靖国史観のすべてが間違っているとも正しいとも思いません。またそれらを判断するのにはまだ自分自身の見識が足りていないこともわかっています。しかし少なくとも、当時の、白人が有色人種の土地を征服し支配するのが当たり前であり、アフリカ・アジアのほとんどにその手が及んでいた世界情勢の中では、人々にとっては大陸進出が説得力を持つ選択であったということだけは理解できます。何十年も経った平和な時代から俯瞰して、現在の倫理観だけを振りかざして当時の人を断罪する気にはなれません。