職能

どんな仕事にもその職特有の職能というものがあって、なんで固有かと言うと他の職ではまったく役に立たないからだわな。で、今日私がしてた仕事はプラモデルのテストショット（試作品）を組むというもの。だけどこれが一筋縄ではいかない。テストショットってまだパーツ同士の勘合の調整の前だからユルユルだったりするわけ。合わせ目が緩い場合は接着しちゃえばいいんだけど、関節が緩いのは問題なのよ。その後で組んだものを撮影しないといけないからね。糸の切れた操り人形みたいなものをちゃんと立たせてポーズを取らせるのはホント大変だから。だからテストショットを組む上では、「関節を渋くする」という作業が必要となってくるのよ。

どうするかっていうと単純で、関節の可動軸を太くするのよ。関節軸に瞬間接着剤を垂らして、硬化促進スプレーを吹いて、固まってから合わせる。太くし過ぎると動かなくなるし、緩いと撮影できない。また間違って接着しちゃって関節を固めちゃってもいけない。まぁ、関節一つ一つにそういう作業をしつつ、未完成の説明書を頼りにプラモデルを組んどったわけですよ。一日中。

このスキルも一つの職能と言えるんだけど、今の職種以外だとまず役立てる機会のないスキルだなーって思いましたとさ。