えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

春のドラマ

医龍』と『弁護士のくず』はどちらもコミックからの実写ドラマ化。両方とも原作をそこそこ読んでで楽しみにしてたんだけど、この2つのドラマが見事に時間がカブりやがった。とりあえず初回はHDDとビデオを駆使して両方とも視聴。第一話だけで判断する限りは『くず』の方が面白そう。


面白いのは両者の原作との違いで、『医龍』では主人公たちのライバルとなるERの鬼頭教授が男性から女性に、『くず』では主人公のパートナーたる新米の弁護士が女性から男性に変更になっている。つまり
・『医龍』 男→女
・『くず』 女→男
という感じで変更点が対称形になっているのよね。




医龍』の方の変更はイマイチどうしてそうしたのかが見えない。それどころか、鬼頭が女性として既に教授に就任していると、「男社会の中で教授になって自己実現してやる!」っていう原作において加藤ちゃんを動かしていた強い動機の一つが弱まってしまうと思う。




一方で、『くず』の方は「九州から上京してきたばかりで正義に燃える熱血漢」というキャラクターを作り上げて主人公の九頭と対比させることで、「拝金主義で、だらしないが、狡猾な手段を使っても裁判には勝つ」という、九頭の「くず」っぷりがうまく引き立っていたと思う。単純にオーソドックスなバディ(相棒)ものとしても見れるし。




演出面でも『くず』はもともと原作がコミカルなタッチなので、これくらいわかりやすくて丁度良い。それに対して『医龍』の原作は一見シリアスな医療ドラマと見せかけて、その実見せ場は笑っちゃうくらい大仰でヒロイックな主人公の活躍シーンだったりするから、これを演出で見せるのは相当ハードルが高そうだ。今回も病院内でやたらと医者同士が罵り合ってるシーンがあったけど、なんか人間のドロドロした部分とか感情的な軋轢を描くことが「リアルなドラマ」だとカン違いしてる節が見受けられるんだよね。ドロドロした部分を隠して表面を取り繕うのが社会人の普通の姿であって、ドロドロを臆面もなく出しちゃってるドラマは、なんというか、非常にチープに見えてしまうのデス。そのクセ、その中で木原助手のキャラクター演技だけが妙に浮いててイタイし……。とりあえず「こういう空気のドラマなんだな」っていうのが一話の時点で定位してない時点で、あまり良いスタートを切れたとは言い難いと思う。



あと数回見てこの評価が覆らなかったら、録画は『くず』だけでいいかな。