えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『シムーン』

テレビ東京系 月曜深夜 公式

●舞台は「大空陸」という架空世界
●大空陸では誰もが少女として生まれ、大人になる時に性別を選ぶ
●主人公たち巫女(シビュラ)はシムーンという儀式用祭具を改造した飛行物に乗る
●シビュラはみな成人(性分化)前の少女である
シムーンは複座式で、搭乗の際 2名のパイロットがキスをする(儀式?)
シムーンの航跡で空に特定の模様(リ・マージョン)を描くとさまざまな奇蹟が発動する
(敵への攻撃など)
●このリ・マージョン秘蹟は現在は失われており、過去の遺産を解析して使っている
●この世界でシムーンは突出した性能を持つ飛行機械であり、隣国はその力を求めて領空侵犯を続けている


思春期の女性だけの限定空間ということで、やや耽美な方向を狙っているのだとは思うのだけど、それにしては絵柄がやや軽いような。キービジュアルが美少女ばかりだったので「またキャラ萌えアニメかー」という否定的な印象を受けていたが、設定の作り込みや演出面から見ても、いわゆる「萌え」を前面に出した売り方をしたいのではないようだ。しかし、それにしては絵柄が中途半端に「萌え絵」である気がする。この絵柄では、どれほどシリアスな設定やストーリーが与えられていたとしても、しょせんは「オタクにとっての萌えアニメを見るための言い訳」として用意されているのではないか、という疑念は払拭できない。  それとも最近のアニメではこの絵柄でも充分に「ハード」なのだろうか? 『少女革命ウテナ』のようにその耽美さをセルフパロディにもできない分、絵柄の煮え切らなさがとりあえずは気になった。


シビュラたちはそもそもが巫女であり、戦闘行為に駆り出されることは不本意であることから、戦隊(コール)はミッション系女子高のような厭世的・耽美的な雰囲気である。当然皆に憧れられる「お蝶夫人」的なキャラクターも存在する。そこに活動的で好戦的(?)な主人公が編入されてきた時点で第一話は終了。ここの「耽美な世界←→アクティブな異分子」の対立項を軸に今後の物語は紡がれてゆくのだろう。現状では絵柄の関係で、そこの対比がイマイチ明瞭でないのがやや残念ではある。


ただ、これだけの設定をなんとか紹介してみせて視聴者がこれからストーリーを飲み込んでゆくための地均しをしようという姿勢を第一話で見せたのは好感が持てる。『エウレカセブン』にように変に謎をストーリーの牽引力にしようとしたりせずに、ちゃんと説明してくれるのはいい。とりあえず「物語」への欲求は感じるのでもうしばらくは継続視聴してみる。