えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

国政を占った?小金井市市長選挙

長い間 武蔵小金井駅南口の再開発計画は賛否が別れ小金井市の市政において懸案事項となっていました。既に事業計画認可が下り、都市再生機構が施行者となることまで決定。国も都もすでに予算措置されている状況なのに、野党連合による「抵抗勢力」の反対を受け続けその計画施行が市議会で否決され続けてきたのです。


これに対し稲葉孝彦市長は昨年6月に任期を残してあえて辞職。南口再開発計画に争点を絞ったこの市長選に再度臨むことで民意を問いました。この選挙においては民意をハッキリさせるために任期を残して辞職した稲葉市長のいわゆる「男らしい」態度に指示が集まる空気があったように思います。これに対し「野党は任期を残して辞任するのは責任放棄だ」という批判を加えましたが、こちらの声が市民の心をとらえることはなかったようです。結果として市長は再選。形の上で民意は定まりました。


ところが今年3月に開かれた市議会本会議においても、再開発計画を盛り込んだ平成17年度の一般会計予算は再度可否同数となり、共産党の森戸議長の議決により否決されてしまいます。こうした事態を踏まえて今年3月27日に行なわれた市議会議員選挙においては、再開発推進派の議員が接戦ながら過半数を獲得。勝利を収めました。これは市長選によって選挙前に「開発反対派=民意に背く者」という構図を作り出した戦略がもたらした勝利とも言えるでしょう。結果、4月20日に開かれた臨時議会において蔵小金井駅南口再開発関連予算が含まれた予算案は原案通り可決。開発計画は大きく前進することとなりました。



今この市政の流れを振り返って見ると、今回の衆議院選挙と驚くほど多くの類似点が見られることに気づきます。解散自体の制度的な是非よりも、それを強行した個人の信念のような部分に選挙民の関心と評価が集まったこと。あえて争点を絞ることによって選挙民に届きやすいメッセージを配信して勝利を収めたこと。そして恐らくはこの後の郵政関連法案が辿るであろう、「民意」をバックに強力に計画を推し進めてゆくこと。etc…


たかが一地方の市議選挙ですが、もしかしたら今回の解散→総選挙のシナリオを書く上で、テストケースとして参考にされた部分もあったのかもしれませんね。