えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

カントリー・ガールズの休業について

カントリー・ガールズの活動休止が発表されました。

 

カントリー・ガールズ 活動休止のお知らせ

 

現場のスタッフさんたちのことは概ね信頼しています。しかしハロプロを長く応援していると、何年かおきに災害級の理不尽が訪れることも事実です。そう、理解も納得もできない理不尽さと、事務所内の誰も逆らえなかったのであろうと推察される絶対性から、まさに「災害」と呼ぶに相応しいもの。恐らくは組織の頂点から強権的に発せられるものなのでしょう。

 

 

私の所感では

・2002年のユニット改変

つんく♂の総合P解任

・クールハロー

モーニング娘。の名前の後ろに数字がついたの

・2017年のカントリー・ガールズの解体

などがこの「災害」に当たるでしょうか。経営判断として大鉈を振るうことを一概に否定する気はありません。しかしもっとメンバーの気持ちや物語性に寄り添ったやり方もあるだろうとも思っています。

 

これは当時のblogにも書いているのですが、そもそも2017年の6月に発表されたカントリー・ガールズに関する人事発表が不可思議に思え、その意図が読み取りづらく感じるのは、2つの相反するベクトルがその中に混在しているからだと思っています。一つはカントリー・ガールズを不採算部門として切り捨てるベクトル。もう一つはそれに抗いなんとか救済しようというベクトルです。

 

つまりトップデシジョンで決まったのは「ラインを一つ空けろ=カントリー解体」ということだけ。しかしその理不尽なトップの決定のままに嗣永さん卒業後のカントリーを解体してしまうと、ハロプロの継承物語や幸福感、そしてメンバーの尊厳やスタッフとの信頼関係が決定的に損なわれてしまいます。なので森戸・舟木・梁川の兼任移籍と、山木・小関の「学業優先」という苦しい言い訳などは、「ラインを空ける」という決定事項にギリギリ抵触しない範囲・・・つまりは上への反抗とみなされない範囲で、前述の決定的破局をなんとか回避するための前線スタッフによる軟着陸処理だったと思うのです。

 

既に事業整理を決めたトップになんとか活動の継続をお目こぼししてもらうためには、その業務において組織の人的・資金的リソースを圧迫するわけにはいきません。そうなると活動は、配信シングル、安全なキャパでのイベントなど、かけた経費が確実に回収できる範囲に限定されることとなります、すなわちこれはビジネス的には「先行投資をしない」ということ。芸能的には「プロモーションをしない」ということです。でもやはりそんな業務形態は無理があるんですよ。そんな形態で継続できるのはよほど有名な老舗の和菓子屋か、紅白に出るほどのヒット曲を持った演歌歌手ぐらいのものでしょう。考えてみてください。BEYOOOOONDSの1stシングルの10万ヒットだってあの採算度外視とも言える破格のプロモーション攻勢があったからこそでしょう。あれがいつものアップフロントの渋~い「回収が確実なライン」内に収まるプロモーションだったら、ここまでの成果が出せたと思いますか? 原則として投資的プロモーションなしには顧客の増加は望めないのです。そしてそんな状態では、メンバーがカントリー・ガールズとしての未来への希望やビジョンなんて到底持つことはできなかったでしょう。

 

また既に他部署に異動させられた元カントリースタッフも、配属先の通常業務をこなしながらなんとか時間を捻出してカントリーの活動業務をこなしてくれていたんだと思います。兼任メンバー自身もそうですね。でもそれもまた無理な話なんです。だって想像してみてください。自分の会社で上の意向でお取り潰しになった部署を現場スタッフの頑張りだけで存続させている状態を。どう考えても企業として健全ではないし、いつか限界がくるのは明らかでしょう?

 

メンバーたちの心性が前向きであるならなおさら、トップから承認もされない状態で「続けるだけ」では意味がないと悟るのは当然のことです。

 

それが即決ではなく、2年近く経った今というタイミングだったのは、

 

>それでも大好きなグループなので、ここまでメンバー同士支え合いやってきました。

 

この森戸さんの言葉こそが率直な実情であろうと思います。なんとか存続させようとしてくれているスタッフを前に決意になかなか踏み切れなかったという面もあったのかもしれません。あるいは既に十分に傷ついたファンを気遣ったのかも。しかしいずれにせよ無情で厳然たる事実と向き合えば、2017年の時点でグループは終了しているのです。

 

ただ2年間、そうじゃない夢をしばし見ることを彼女たちは望み、同じ夢をファンにも見せてくれていた-- 私はそう思っています。

 

自分の誇りの置き場となるグループに関して、自分が何も決定権を持たない、そしてこんなに理不尽に突然奪われてしまう。そんな経験をした上で彼女たちが真剣に自分の人生について考えれば、自らの意志として卒業を選択しても不自然ではないでしょう。

 

今回の件で「糞事務所!」という非難の声も散見しました。しかし私はこれまで述べたように、大元の2017年の発表…すなわち「災害」部分はともかく、今回の発表内容に関しては、メンバーの意志を捻じ曲げる何かがあったとは思いません。そしてメンバーに直接関わる事務所の方々はこれまでずっとなんとかグループを存続させようと尽力してくれたのだと思っています。

 

 

ただですね…

 

カントリー・ガールズとしての今後ですが、メンバーを一新し再始動することを考えています。

 

 

これはいけません。恐らくはなんとかグループを存続させようとした善意の延長なんだろうとは思います。スタッフさん自身にも嗣永さんから託されたグループを守ろうという想いがあるのかもしれません。でもよく考えてみてください。どうして2002年の「災害」後に始動した第3期タンポポは1曲リリースしただけで終了してしまったのか。同じく新生プッチモニはどうしてリリースすらできずに活動終了となったのか。 メンバーの気持ちを踏みにじって、ファンとの信頼関係と共同幻想をブチ壊した上で、同じ名前で活動したって無理なんですよ、もう。そこに幸せな夢を幻視することは。それは破壊された夢の残滓でしかないのです。

 

もし再始動するなら、新しくメンバーになる子にとっては謂れのない負の歴史を背負ったマイナスからのスタートとなってしまいます。私はアイドルになろうという子たちの最初の一歩を、そんな風にしてあげたくない。BEYOOOOONDSのデビューに立ち合ってつくづく思いました。デビューを晴れの門出として何のわだかまりなく祝うことがどれだけ楽しいか。どんなグループになるのかとワクワクさせられたいし、喜びを共有したいんですよ。それこそアイドル活動、ファン活動の本懐でしょう。

 

売上の不振、スキャンダル、メンバーの脱退、不本意な改変、そして怪我や病気・・・・・・アイドルを続けていれば胸を裂かれるような辛いことだってたくさんあります。でもだからこそ、デビューくらいは一点の曇りもない慶事として祝ってあげたい。いざという時に踏ん張る力の源となる幸せな思い出にしてあげたい。わざわざ不遇なデビューを迎えるアイドルを生み出さないためにも、カントリ-の再始動案は再考されることを願っています。