えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ドラマ『武道館』

朝井リョウ原作で、Juice=Juice主演でドラマ化された『武道館』。このドラマの一番の問題は「アイドルをする悦び」の描写が「アイドルをすることによって課せられる制約」の描写に比べて圧倒的に少ないことだと思うんですよね。悦びの描写がないから、彼女たちがアイドル活動を続ける動機がまったく感じられないし、アイドルが「ただただ理不尽なルールに押さえ付けられる犠牲者」に見えてしまいます。そんな状況だから「仕事よりも恋愛を選んで引退する」という結末も「そりゃそうなるわな」としか感じませんでした。


そもそもアイドルになった動機についてアイコが「歌とダンスが好きで」って繰り返すのも、「アイドルになりたかったわけじゃない」と副音声で言ってるようにしか聞こえません。でもこれもなんかズレてるんですよね。歌やダンスはアイドルの重要な要素ですが、やっぱりそれは核心ではないと思うんです。アイドルの仕事は「愛されること」。そこに対する動機と覚悟がなければ、そもそも握手会とかの接触イベントが濫発される現状を乗り越えられないでしょう。「やってみたら楽しかった」という描写もないならなおさら。


要するに彼女はアイドルになること/アイドルでいることを「自分で決め」てないんですよね。そんな気持ちでアイドルを続けて、スキャンダルでグループの足を引っ張るのなんて、アイドルになろうと覚悟を決めて活動してる他のメンバーに失礼過ぎます。


なんかね、「球技が好きだから」という理由で野球を始めた高校生が「丸刈りが嫌だから」という理由で退部する話で、タイトルが『甲子園』…ってくらい何もかもピンと来ないんですよ。



ただドラマの『武道館』は、内容に対してここで皆であれやこれや言いって盛り上がるのが楽しかったです。あれって昔のモーヲタサイト界隈で、何か燃料となるテキストが投下されて、それに対して議論とか意見交換してた頃の感覚に近かったかも。