えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

一般的には広告は商品の魅力を伝えてこそ効果は上がる

新作『ジュラシック・ワールド』の劇中では、これまでのシリーズ舞台となっていた建設中だった恐竜テーマ―パークは既に完成されており、観光地として賑わっているという設定です。冒頭ではこの生きた恐竜がアトラクションの一部と化したこのパークが魅力的に描かれています。しかし人間には制御不可能で神秘的な存在だからこそそれを覗き見したいという知的好奇心は刺激されるもの。『ジュラシック・パーク』の時は私の周囲ではにわかに恐竜学がブームが起きたりしたものでしたが、劇中で「動物園の象と同じ」と揶揄されてる今作の恐竜描写では、そうした面での刺激は減退していると言えるでしょう。その代わり、映画としても、劇中テーマパークとしても、徹底的にショーアップさせてエンターテインメント性が追及されています。ハリウッド映画でも極限と言えるそのレベルはやはり圧倒的で、前述の理屈や脚本上での齟齬は頭の中から吹っ飛び、無条件に楽しめました。


そうした今作でパワーアップした娯楽性や、これまでのシリーズにはない「既に恐竜がショーアップされた世界観」を象徴するのが、まさにあのTVCMにもなっている予告編映像での「餌やりショーでモササウルスが水中からドバーッ!」のシーンなわけです。あれが作品のストロングポイントを端的に伝えるシーンだったからこそ、予告/広告映像に選ばれたのでしょう。結果として興行的には大成功を収めています。


かように、一般的には広告というのは売りたい商品の魅力や強みとなる機能を知らしめるものです。普通は「今作の課題:知的好奇心をもっと刺激する」などと、わざわざ商品の欠点をアピールするようなことはしません。


ところがモーニング娘。の今回のシングルの街頭看板は、「課題」と称してその商品に不足しているポイントを告知しているわけです。


看板画像は癒してハロプロさんからでも
・個々のメンバー名は世間に知られていません
・女性や子供にはまだ人気がありません
・自信が不足しています
・新しい立ち位置が決まっていません
・突破力が不足しています


広告としては斬新です。斬新過ぎます。いや、ファンに向けてならまだわかるんですよ。Twitterでも「私が思う課題は…」なんて話題で盛り上がってましたし、課題を克服する過程を共有すれば思い入れもできますし。でも雑誌などそのジャンルのファンに向けた媒体への広告出稿に比べれば効率が悪い街頭看板広告を出すのは、通りすがり(=ファンではない不特定多数)の目に入れるためでしょう?  


事務所にはこのシングルを売る気はさらさらないのでしょうか。せめてこれが、60枚目のシングルで予定している何か大きな企画に向けての布石であることを願うばかりです。


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