えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ハロプロ楽曲大賞2014

公式サイト)(順位発表


■発表イベント
昨年末に開催されたランキング発表イベントに参加して来ました。今回は投票者数は前年より微増との事で、『One・Two・Three』の年とかに比べれば新規参入は落ち着いた感じでしょうか。なんでも今年は開催までトラブル続きでそりゃあもう大変だったそうで、主催のピロスエさんを始めスタッフの皆さんは相当に苦労されたようでした。ただ会場で見てる分にはそう言われてもピンと来ないくらいまったく問題を感じない進行だったので、裏の苦労に共感できなくて申し訳ない気分に(汗 まぁ、それだけ本番は成功したって事ですね。


VTRが流れるとそれぞれの現場に合わせたコールが会場から湧くので、普段行かない現場でどういうコールが入るのかがわかるのが興味深かったですね。Juice=Juiceの『背伸び』の時の、地の底から響いて来るような野太い「ウォウォウォ」には思わず笑ってしまいましたw


毎年楽曲大賞においては「楽曲派」と「思い入れ派」の対決というのも見所の一つ。それはヲタの派閥間抗争の問題だけではなく、一人のヲタの中でも5曲を選曲する際に自分の中での葛藤として立ち上がる問題でもあります。だからこそそれを踏まえてランキング発表を見守れば、残り3曲となった時点で、楽曲派が擁立する『イジ抱き』が勝つのか、ベリのラストシングルの2曲が勝つのかというのはまさにクライマックスに相応しい最終頂上決戦の様相を見せていたのでした。そして発表された通り結果は『イジ抱き』が1位! 卒業などの思い入れを持たず、さらに言えば去年発売という時期的な不利を払いのけて、楽曲の良さでの堂々の1位ランクインですよ。発表された瞬間の歓声と悲鳴。いやぁ、こういうドラマをリアルタイムで目撃し、共有できるのがまさに楽曲大賞の発表イベントなんですねぇ。



■順位総評

ランキング全体を見ても実はこれまで一番自分的にしっくり来る結果でした。なんせ私が選んだ5曲のうち『Eli, Eli, Lema Sabachthani?』以外の4曲がすべて上位4位にランクインしてましたしね。バッチリ的中! でもそれは「これの良さは俺だけがわかってるんだ!」的な一般評価と外れた贔屓曲がなかったって事でもあって、それはそれでオタクとしては少し寂しくはありますね。あと自分の感性とランキングがあんまり合致してると、ランキングで良曲を発見して改めて聴いたり買ったりするという例年の楽しみ方ができなくて少し残念ではありました(^^;) (ちなみに私の去年の贔屓曲は田崎あさひちゃんの『雨夜の月』でした)


ランキングで意外だったのは2点だけ。一つはPassword is 0の順位が低かった事。もう一つは30位以下のゾーンとは言え『Eli Eli』以外の『LILIUM』曲が結構ランクインしてた事。それこそ40〜30位ゾーンはネットの実況などでは『リリウム楽曲大賞』だなんて言われてましたしね(^^;)。『Pass 0』は曲自体も評判良かったし、CMソングとしての機能も十二分に果たしてたのに(『THE マンパワー』と違って…)29位という順位は意外でした。『LILIUM』曲はどれも素晴らしいのですが、東京と大阪公演しかなかったので、正直そこまで票数に結びつくとは思ってませんでした。その条件でこれだけランクインしてるのは、見た人にはそれだけクリティカルに刺さったという事なのでしょう。一方で『SMILE FANTASY』オリジナル曲はランクインしてなかったな。やっぱそこは演劇としてのクオリティの差がストレートに反映されてるような気がします。



■Juice=Juice
この楽曲大賞の去年の1位が『ロマンスの途中』なんですよ。そして今年は『イジワルしないで抱きしめてよ』が1位。つまり去年後半のJuice=Juiceは両年の1位曲を連続してリリースしてる事になるんです。レコ大出演もあったし、そりゃあもう輝かしい黄金期ですよ。だからさすがにそれと比べるとその後の2014年リリース曲は少し見劣りはしてしまいますし、その落差から実際以上に「勢いが落ちた」という印象を持たせてしまったのかもしれません。アルバムリリ―スがなかったこと、ツアーがファンが広がりにくいライブハウスツアーだったこともその印象を強めた一因かも。そういう中では初年のような「ハロプロらしからぬハイセンスな曲」は見られなかったものの、伊達じゃないよ うちの人生は(19位)、『初めてを経験中』(21位)といった「いかにもハロプロらしい佳曲」が健闘していたのが印象的でした(そして『ブラックバタフライ』は圏外…)。あまりに順調だった一年目の幻想を払拭できるのか。それが今後のJuice=Juiceの課題になりそうです。



スマイレージ
楽曲大賞の感想からはやや離れるかもしれませんが、去年から引き続き感じる問題はA面扱い曲の選定どうなってんの!?という事です。「両A面」とは言いつつも、CD収録曲のどちらかはTVなどで歌披露する「A面扱い」の曲になるわけじゃないですか。その選定がいかにもマズい。そもそも去年2位にランクインした『ヤッタルチャン』もA面扱いじゃない方だった。でもその明るく元気な『ヤッタルチャン』が好評だったからその路線を踏襲して次のシングルでは『ええか!?』をA面扱いに選定してるわけでしょう? 実際その『ええか!?』は7位とスマイレージ最高順位にランクインして成功しているわけです。なのに次のシングルでは明るく元気な『エイティーンエモーション』を外して『ミステリーナイト』をA面扱いにしている。私はこれは残念でしたし、実際ランキングの順位も『エイティーン』が9位で『ミスナイ』が28位という結果になってます。次のシングルもA面扱いの『嗚呼 すすきの』が36位でカップリング扱いの地球は今日も愛を育むが22位。好評だった路線を外して、ことごとくA面よりカップリングの方が高評価って これもう売り方の失敗以外の何物でもないじゃないですか。小芝居VTR作ったりメンバーに妙なプレッシャーかけたりする前にこういう所をちゃんとしないと、増員しようが改名しようがいつまでたっても「アンジュルムはいつもこうだ」のままです。つんく♂プロデュースの手を離れてそのあたりが改善される事を切に願います。


Berryz工房
惜しくも1位こそ逃したものの同シングルに収録された『永久の歌』が2位、『ロマンスを語って』が3位という堂々たる結果。檀上ではこの2曲に対し「安易」という評論もありましたし、確かに「今までありがとう」な路線は卒業ソングとしていかにもな印象もありました。でもこれは「本当に感謝の気持ちを伝えたい時は……結局『ありがとう』やん?」というのと同じ種類の安易さだと思うのですよ。それにもっと言うと『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』(8位)と愛はいつも君の中に(15位)、『1億3千万総ダイエット王国』(17位)というベリらしいヒネリの曲があったからこそ刺さる安易さだとも思うんですよね。「左フックとショートアッパーを散らしてガードを下げさせた後でのストレート!」みたいなね。


ちなみに私はごく個人的な見解として、Berryz工房の活動停止は事務所決定だったと思っています。だけど彼女達はその決定を受けて、今までの活動をすべて肯定し、そしてこれまで応援してくれたファンの気持ちを思いやった結果として、「自分達で活動停止を決めた」というストーリーを背負いそれを自分達の言葉として発する事を自らの意志で決めたんだと感じています。彼女達の言葉からはそれだけの力を感じます(※。だからこそこのラストシングルの2曲は、そうした彼女達の前向きな覚悟を受けとめ、それに沿うようにとつんく♂から贈られたものなんじゃないかなと感じるのです。


あとはね、飯田さんの卒業の時も、道重さん卒業の時も思ったんですけど、卒業とか活動停止とか「終わり」が決まっちゃうと、メンバーからもオタからも嫉妬とか悔しさとか生々しい負の感情は薄れて、透明の輝きだけに純化していくんです。そして遠い未来から今を懐かしんでるような時間の結晶化が始まる。そういう透明な時間の受け皿として、思い入れの受け皿として『永久の歌』と『ロマンスを語って』は秀逸な楽曲であったとも思うのです。

(※
自分達のために自分達で決めた事って実はもっと揺らぐしブレると思うんですよね。判断基準を自分においてまったく迷いが生じないほど強い人はそういない。道重さんの一連の言葉もそうですが、「誰かのために」という外部の要素が入った言葉やストーリーの方が実は強固でブレないと思うのです。道重さんの物語があれほどブレないのは、やはりすべての意志決定や言葉の選択の中に「ファンのために」「グループのために」という想いが存在したからこそなんじゃないかと。



℃-ute
℃-uteのランキングを振り返れば、『I miss you』の11位と『Love take it all』の12位が最高順位であり、ベスト10にランクインはゼロ。ついでに言うなら推しメン部門でもベスト10ランクインは矢島さんだけという、屈辱的とも言える結果となりました。しかしこの1年のグループの動向を振り返れば、初回ご祝儀もない2回目の武道館公演を成功させ、さらに今年の横浜アリーナでの公演まで決定済みと、決して勢いがないわけではないのです。CDリリースに関しても、『江戸の手毬唄』とか、カバー曲とか、明らかにグループの勢いを削ぐマイナス要因はなかったはず。それなのにランキングではこれだけ低迷し、また私もその結果を特に意外とも思わずに自然な事として受け止めていたりします。この噛み合わなさは一体何なんでしょうね? 


『I miss you』に関してはここでレポったハロショデラックスでのぱいぱいでか美さんの感想が印象的でした。




モーニング娘。
今年は2年ぶりとなるオリジナルアルバムもあり、曲のリリース量も多かったせいか、各順位帯にまんべんなくランクインしていますね。その分、票が分散したので順位的に突出はしておらず、4位の『時空を超え宇宙を超え』が最高順位。『Password is 0』が意外と低かったくらいで、後は順当に思えます。正直シングルとなったEDM曲はどれも一定水準以上の仕上がりで、好み意外で甲乙をつけるのは難しいと感じました。



ハロプロ研修生
『おへその国からこんにちは』が10位にランクイン。MVが流れると、メジャーデビューを果たした子が映ると歓びの、脱退した子が映ると悲痛の声が会場から沸き上がっていました。研修生アルバム『Let's say “Hello!”』は名盤なので、来年はここから何曲ランクインするか楽しみですね。