えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『ロマンスを語って』を語って


この曲を聴いた時になぜか最初に頭に浮かんだのはZYX白いTOKYOと当時の清水佐紀さんの姿でした。同じウィンターソングという事もあり、曲中に溢れるキラキラ感が通底していると感じたからでしょう。


言うまでもなくZYXというユニットの最大の特徴は、その構成員のほとんどが「小学生」であった事でした。これは当時のハロプロとしては異例であったし、メジャーアイドル界を見渡してもかなり稀有な例であったと思います。(SPEEDはあくまで「小学生 なのに ハイスキル」という心理的1ステップを設けて提供されていたもので、ハロプロキッズほど「小学生」である事を剥き出しにはしていなかった)。そしてそこに見られたのは、若さに由来する彼女たちのイノセンスと、そこに内包される無限の可能性…つまりは未来への希望と期待感そのものであったと思います。


そして私から見て、清水佐紀さんはそれらの要素を最も端的に象徴している人でした。というのも、前作『行くZYX! FLY HIGH』までの清水さんはまだまだ野暮ったくて垢抜けない「そこらの子供」感の漂うビジュアルであったのが、この『白いTOKYO』で劇的な確変を遂げて、一気に可愛く変貌を遂げていたからです。わずか数ヵ月の間にここまで変わるかと喝采を贈り、その変貌の幅に、改めて小学生の中に潜在する可能性の大きさに感嘆したのを覚えています



ともかく、そのキラキラ感の源泉はイノセンスと、そこに内包される未来への希望と期待感という「子供」であるからこその魅力だと思えました。そしてそれは年齢を重ねるに連れて減退していくか、あるいは見えづらくなっていくものだろうと。その代わりに意志力であるとか、さまざまなものを獲得していくのが成長というものなのだろうと。ところがです。幼さの対極とでも言うべき、長年の活動を経たBerryz工房のラストシングルであるこの『ロマンスを語って』で再びそのキラキラ感が感じられるではありませんか。それは本当に不思議な光景でした。


あの頃と同じイノセンスが、それを包み込み母性と矛盾する事なく同居している。そしてあの頃と同じように、まだ見ぬ未来への希望と期待感が、これまでの歩みへの確かな自負や誇りと矛盾する事なく満ちている…。あの頃のキラキラ感は何も失われてはいなかった。それは彼女達の中にずっと……。


とにかく、Berryz工房の解散にあたり、「振り返り」に重心を置いた『永久の歌』と共に、新しい門出に立つ希望の煌めきを感じさせる歌が贈られたのは、つんく♂からのBerryz工房と彼女達を見守って来たファンへ向けた一つの手向けなのだと感じたのでした。



※)確かおとめ組コンサートで訪れた京都のアイムさんちで見た『ハロモニ』で初めてMVを見たんじゃなかったかな