えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ホントは名作『美味しんぼ』

また今回の件で何より衝撃だったのは、思想的な偏りよりもむしろ、『美味しんぼ』がまったく面白くなくなっていた事です。今やパロディのネタとしてばかり語られる機会の多い『美味しんぼ』ですが、山岡結婚エピソードまでは間違いなく「抜群に面白い漫画」であったと私は思っています。これまでも多少の事実誤認や思想的な偏りはあったにせよ、それらは漫画としての面白さを毀損するものではなかった(『はだしのゲン』もジャンプに連載されていた前半は間違いなく漫画として面白い)。ですがこの近辺のエピソードを読んでも、読者を惹きつける牽引力をまったく感じませんでした。その事が悲しいですね。


私が『美味しんぼ』で一番好きなエピソードはなんと言っても結婚前に栗田さんが雄山と対峙するエピソードでしょう。「究極vs至高」…まさに男同士が互いの「権威」を賭けて争い続ける中で、女性が女性らしさをもってその権威の根底を打ち破った名エピソードだと思います。その素晴らしさを伝えたくて、モー神通信の場でこんなコラムを書いたこともありました。

 美味しんぼ異説・「花婿の父」

もしお時間があればご一読頂ければ幸いです。