えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『THE NEXT GENERATION パトレイバー』

言うまでもなくこの作品の注目点の一つは「ロボアニメの実写化」という事であり、8m代という難しいサイズのロボ(※)をちゃんと動かせるのかが注目点の一つだったと思うのです。ですがその明確な解答を1話では見せてくれなかったのが残念でした。2話の予告ではバリバリ動いてんだけど、やっぱそこは1話のうちにちゃんと見せるべきポイントだったと思うんですよね。


やっぱそのジャンルの王道って大切だと思うんです。結局ロボットものの1話に必要なカタルシスって「ロボが動いた!」という感動の一点に尽きると思うわけです。それこそが全話を見続ける牽引力となる。実写という変化球だからこそ、その王道部分は押さえて欲しかった。『パトレイバ−』ならではの、メカが一切動かずに、炒飯食ったり、ワニを追っかけたりする特車2課の日常を描くにしても、最初だけは普通にロボットとしてカッコ良いというレベルまでアクションさせなければならんと思うのです。だってその1話での「かっけー!」という感動があって初めて「次が見たい」という視聴欲求につながるわけですし、「あのカッコイイロボットがどんな活躍するんだろう?」と思って見た所に炒飯食ったり、ワニを追っかけたりしてる話が来るからこそ、拍子抜けの「スカシ芸」として成立するわけでしょう?


今回の映画の場合でも起動シーンはあるんですけど、作劇上のピークをそこに設定している割には起動後の事件の顛末がちとアッサリし過ぎてるので拍子抜けするなと。


動かせないわけじゃないようなんですよね。2話の予告だとバリバリ動いてたんで。そう考えると0章と1章じゃなくて、値段が高くなってもいいので1章と2章の同時上映にしてた方が次によりつながったんじゃないかなと。(ネットで先行公開されてた0章は映画館に見に来るような人はもう全員見てた気がするし…w)


あと少し気になったのは、ゆうきまさみ漫画的なキャラクターの所作ってあるでしょう。ツッコミ代わりにプロレス技しかけたり、ああいう光画部的アクション。あれはそのままやるんじゃなくて、実写用の「翻訳」が必要かと思いました。男が女にヘッドロックしてるのとか、生の人間でやってるの実際見るとちょっと「う」と一瞬変な感じになっちゃうんですよね。普通にセクハラになる事ですしね。あとちょっと男の側がデリカシーに欠けるオラオラ系の人種に見えてしまって、キャラクター像がブレちゃうというか。


キャラ的に先代のキャラをあまり引き継いでいないカーシャの女王キャラが魅力的でしたね。他はまだ前のキャラクターの印象のままって感じで、おそらくは今後先代キャラ像から逸脱していくエピソードが語られていくんだと思います。当然その第一弾は真野ちゃんが演じる泉野・明で、予告を見ると3話がそれっぽい。




鉄人28号』や『パシフィック・リム』みたいな非現実的なほど巨大なオブジェクトの場合は空気遠近法で質感表現を結構ごまかせる。日常的と地続きなサイズ感のものをCGで表現する方が難しいと思うんですよね。まして実物大のプロップと入れ子で写すならなおさら。


例えば『魔法少女』モノの場合だと1話でヒロインが魔法少女に変身するシーンが必要だと思うんですよ。それが王道であって、よほどの事情がないと外しちゃいけない。『まどかマギカ』なんかはその「よほどの事情」があったわけだし、「それがどれほどの事情であるか」を引きとして視聴者を牽引し、作品終盤でヒロインが変身するその場面に作劇のピークを設定して物語を構成してたわけでしょう。王道をあえて外す時にはそれぐらいの代案が必要だという話