愛のサーガ
アイドルに関して賞味期限がどうとかヲタは飽きやすいとか言われますが、その割にはアイドルのグループ内における世代交代というのは存外難しいもの。AKB48も2010〜2012年ぐらいの選抜メンバーがブレイクを牽引したものの、その次の世代となると狙ったほどには知名度やスター性はまだ獲得できていないように思えます。横山や川栄といった“次世代エース”たちももちろんファンの間では人気なのでしょうが、対世間となるとまだまだ全盛期のメンバーには及びません(例外は運営が想定したのとはおそらく全く違う経路から人気者となった指原さんぐらいか)。でもこんな風に「全盛期」と比較されてアレコレ言われるのは、ブレイク後に加入した者の避けては通れない道なんですよね。それはモーニング娘。においてもそうでした。
黄金期の後で加入してきた5期・6期も長らく世間からは「黄金期のメンバーに比べればスター性に欠ける」という評価を受けていたように思います。でもそれは仕方がありません。道を切り拓いた者と追従者ではハングリー精神も看板に対する自負心もその時点ではやはり桁違いなのですから。そこはオリジネイターには敵いません。加えて当時は新規加入者としてレジェンドメンバーを前に委縮していたというのもあるでしょうしね。
だけど一方でそんなブレイク後のフォロワーだからこそ体現できる魅力というものもあります。それはファンとしてグループを愛していた人間がグループの一員となり、今度はそのメンバーとしてグループを愛し、その愛をさらに後輩に伝えていくという物語の魅力です。大作映画のCM風に言えば「愛によって紡がれる一大叙事詩(ドーン!)」ですよ。先日の11周年を迎えた道重リーダーのblogはまさにそんな愛に溢れていました。
「愛のサーガ」なんて言っちゃうと陳腐に聞こえるんですけど、でも本当に彼女は愛のサーガの体現者であり、最高の語り部でもありますね。
>加入する前から大好きで。
>今は、加入する前よりもっと好きになりました!
そして道重さんがこう語ることで、ファンとして私たちが受け取っている彼女たちの魅力の本質というものが、彼女たちの実像とさほど乖離していないのだと信頼することができます。そこはね、黒い噂が絶えない他所とは違って、このアイドル濫立時代にハロプロが持つ大きなアドバンテージだと思うのです。
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