えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

大島優子の卒業発表に対する3つの気持ち

で、AKB48の出番ですよ。『恋するフォーチュンクッキー』を一曲歌い終わった後で大島優子が自身のAKBからの卒業を発表したんです。私はこれを見て
・最初は一紅白視聴者として腹立たしい気持ちになり
・次に大島優子を知る者としていささか失望し
・最後にアイドルファンとして遣り切れない気持ちになりました。
順に見ていきましょう。


■一視聴者として
北島三郎ことサブちゃんも今回での紅白からの勇退を発表していたわけですが、こちらは紅白サイドにとっての事件であり、また「サブちゃんの最後の出演なら」とチャンネルを合わせていた視聴者もいたわけで番組に資するところも大きい案件なんですよね。ところが大島さんの場合は自身のグループからの卒業ということでAKBが紅白からどうかという話ですらありません。紅白とは無関係の個人的なことの発表に紅白の大舞台を利用したという印象が強く、見ていて「はぁ?」という気持ちになりました。



大島優子を知る者として
やはり残念でした。だってね、大島さんという人は幼少期から子役として活動してて芸歴は長い人です。現在でも外部で女優としても活躍しています。そんな彼女だからこそAKBという巨大なシステムの中にいても外から自分たちがどう見られているかという客観視と常識感覚は持ち合わせている人だと思ってたんです。「いろいろ批判はありますが、私たちにとっての票はファンの皆様からの愛です」という総選挙の時のコメントからもそれが窺えます。だからこそ、周囲との距離感を見誤ったかのように見える今回の発表は、大島優子らしくないと失望を感じてしまったのでした。


■アイドルファンとして
大人たちのシステムハックによってメディアの中に巨大組織を確立させたと言われるAKBグループではありますが、一方でメンバーたちに目をやれば、売れない時代から地道に努力を続けてやっと栄光を掴んだアイドルの成功例そのものでもあるわけです。特に大島さんなんかは1期メンでこそないものの、まだサッパリ売れてない時代からキャパ200人の劇場で公演を重ね、何千・何万回とファンとの握手を繰り返し、地道な活動を続けて来たという、そこらのぬるい地下アイドルでは到底敵わないほどアイドルとして叩き上げの人なわけです。その彼女がグループからの卒業…アイドルからの卒業を発表するに際して、それを誰の前でするかではなく、どれだけ大きな場所でするかを優先させたって言うのは、アイドルファンとしてあまりに切ないじゃあないですか。


何よりね、これだけ成功した(=愛された)アイドルの卒業発表が、ファンからの声援と哀惜の涙ではなく、冒頭に書いたような無関心な国民からの「はぁ?」という声で迎えられるというのは物語終盤の一幕としてあまりに無残です。…もし仮に、仮にですよ? 道重さんが将来に卒業を発表するとして、その彼女の報告が …4000日以上に渡る苦難と愛と栄光に満ちたアイドル人生からの旅立つ決意を語る言葉が、「はぁ?」という声で迎えられるような状況を想像したら、本当に胸が塞がります。彼女が全霊を込めて生きた日々に対して、これまで無関心だった何もわかってない人達にそんな風にだけは言って欲しくない! そう思うことでしょう。そう考えればやはり、大島さんの今回の発表の仕方は、彼女のファンにとっても、彼女自身にとってもやり切れないものが残る結果となった気がするのです。