えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『ももクロ一大事2012 〜横浜アリーナまさかの2DAYS〜 見渡せば大パノラマ地獄』

同僚がチケットを譲ってくれたので日曜日に行って参りました横浜アリーナ。2009年のエルダークラブ卒業以来と、約3年ぶりの横アリです。駅から出るとコンビニがももクロちゃんの曲を大音量でかけて客寄せをしてたり、また終演後も居酒屋の客引きが「ももクロ割引きありますよ!」とか「店内でライブDVD流してますよ!」とか声をかけてきて、レジャー感を盛り上げてくれます。それに加えてまだ新しいファン、若いファンの人が多いため、コンサートそのものがまだ「祝祭空間」の非日常として成立しているんですね。さすがにハロプロだと、そのへんは日常と化してしまっているので。



■客層
それにしても女性ファンが多い! 近年はももクロを含めてどこのアイドル現場でも以前に比べて女性が増えたという印象だったのですが、その中でもズバ抜けて女性比率が高かったです。ホント3割強は女性だったかもしれません。カップルで来ている人も多く、 リア充爆発しろ  また若い人は皆さん、前述の祝祭感を受けてか、法被やコスプレといったいかにもな仮装じゃなくても、普段着の中にメンバーカラーを取り入れた少し派手目な恰好で来ている人が多く、まだ肌寒い季節なのに実に彩り鮮やかな客席となっていました。


■会場
2DAYで土曜と日曜ではセットリストもステージのセッティングもまったく違うものだったそうです。タイトルにもある通り、今回の公演は360°使ったパノラマ会場が主題だそうで、私が見た日曜日は下の図のようなセッティングになってました。この外側にスタンド席があります。


■あの頃から
思えばモーニング娘。を好きになった時には娘は既に大スターでした。他に気になったグループはあってもBON BON BLANCOにしろ、きゃな〜り倶楽部にしろ横アリに達する前に消えていった。そういった意味では、私が見た中では石丸電気の7Fステージ→横アリというのは最大の振り幅なわけです。ビッグになったなぁという感慨がある一方で、あの頃と今とで何が変わったのか、何が変わっていないのかについてもあれこれ思いを巡らせることとなりました。メンバー本人たちはもちろんパフォーマンススキルや度胸はついたのでしょうが、いつも全力で、楽しんで、互いを信頼して、というその魅力の本質的な部分では何も変わってないような気もします(早見さんの卒業という大きな事件を超えてなお、そこが変質していないのが一番すごい部分ではあるのでしょうが)。本人のスペック以上に、受け取る側の目や周囲が変わることでこれだけの変化を遂げる、そのダイナミズムもまたアイドルの面白さなのでしょう。


外見的にはイエローこと玉井さんがスクスクと育ってるのが一番の変化な気がします。まだあどけなさを残すものの、素敵な女性への階段を健全に、着実に登ってるようです。後半で森高チックな衣装を着ていたのですが、本当に脚が細くて長くて素晴らしい。もうお風呂はひとりで入れるようになったのでしょうか。気になる所です。


グリーンこと有安さんの歌唱も素晴らしかった。最初はあの独特の節回しがちょっとブン回し過ぎだったのですが、中盤以降は良い感じにバテてきたのか(笑)、適正かつ迫力のある歌唱になっていたと思います。



全周囲をファンの熱気に取り囲まれる中で、ももクロちゃんたちは負けじとエネルギーを放射し、会場を沸かしていました。また演出面でも手がかかっていて、作り手が見せたかった情景がちゃんと顕現していたように思います。ただ、メンバーやスタッフがベストを尽くしても避け得ない、どうしようもない問題はいくつかあったように思います。




■問題
一つは曲数が増えない状態でツアーを重ねることから来るセットリストのマンネリ化。特に今回は2DAYSで別のセットリストを組むとあって、さすがに無理があったのかも。やっぱツアーの間にはアルバムリリースかシングル2枚ぐらいは挟まないとキツいかなと。


もう一つはパノラマステージ。もうこれは根本的な問題として、どうしたって「メンバーがこっちを向いていない」時間が一定時間できてしまう。フリがユニゾンのパートだったら、5人が放射状に5方向を向いてサークルステージで歌えばいいんだけど、陣形が必要なパートだとどうしても一方向に集まらざるを得ません。まして今回は全国の映画館でこの公演が見ることができたらしく、それ向けのカメラに5人がそろった絵を見せないといけない箇所もあるわけです。この「劇場で公開」と「360°パノラマステージ」という要素は決定的に食い合わせが悪いと思いました。


モーニング娘だと2004年春のセンターステージ公演(参照)が同じ問題を抱えていたんですけど、娘のように人数が多ければ、まだあちこちにメンバーを分散して対応も可能でしょうが、でもさすがに5人だとそれも厳しいというところでしょう。




■今後
夏はホールツアーとして全国を回った後に、西部ドームで公演を開くということ。まさに快進撃といった勢いですが、この話題性と集客力の高まりに対して、まだ順位とか売り上げといった数字的なステンタスは十分にはついて来ていない印象。次のシングルの特典にこの夏のツアーの予約券的なものをつけてその数字の部分を突破すれば、年末には紅白出場も見えて来ます。もちろん人気なんて水モノなんでどうなるかはわかりませんが、目標に対してちゃんと道筋と勝つべき方策を用意している感じは頼もしいですね。