えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

平清盛展


昨日は両国で江戸東京博物館の「平清盛展」を見て来ました。


自分的には厳島神社に奉納されてる「平家納経」が一番の見所でした。これは豪華絢爛な装飾経の中でも特に貴重な一品で、当時の工芸技術と贅の限りを尽くしたもの。


大抵の芸術は権力者の占有事項として始まって、大衆化する過程でダウングレードされ、さらに量産品(工業製品)となる過程でスポイルされるわけだけど、そういう点で言うと、この「平家納経」は書物という文化物のダウングレードされる以前の源流であり、贅と芸の観点から一つの頂点にあるわけです。今見ても本当に美しくて豪華だし、また現在の技術でも量産品としては再現不可能。


常設展示の江戸時代の浮世絵と実に対照的で、
こちらはこちらで職人の凄技!という方向。


そして脳内には普段仕事としても接している現在の出版印刷物があるわけで、「平家納経」、「浮世絵」、「現在出版物」と三者を脳内で比較しながら見ることとなりました。比較することで大衆化・工業製品化によって損なわれる価値と損なわれない価値が浮き彫りになってきたり、色々と考えさせられて興味深かったです。