えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

観光ガイド

ちょいと事情がありまして、先日は東京観光バスであるスカイバスに乗りました。このスカイバスは屋根がなく、東京駅から浅草・スカイツリー周辺→秋葉原日本橋→皇居前→東京駅と都内を90分ほどかけてグルーッと回るというもの。鳩バスのように各地で停車して降りての観光ではなく、座席の上から景色を眺め、ガイドのお姉さんの観光案内を聞くというものです。


このガイドのお姉さんの案内アナウンスがなかなかに秀逸だったんですよ。なにせ話すことが多い有名な観光スポットだけではなく、その間のつなぎとなる場所でも間を持たせないといけないわけです。ちょっとした知識や、どう見るかの視点・切り取り方を提示することによって、どうということはない景色に知的興味を惹く意味を持たせる。


例えばこんな感じです。



「皆様、前方の通りをご覧くださいませ。
何かお気づきになりませんか?


普通、皆様が住まいをお探しの時に
北向きの家と南向きの家とどちらをお選びになりますか? 
一般的には日当たりの良い南向きの間取りが人気とされておりますよね。


ところが漆にとっては色褪せの原因となる日光は天敵。
というわけで仏具店は北向きの構えとなります。


改めて前方の通りをご覧ください。
道路の左側だけに仏具店が並んでいるのがおわかりになるかと思います。
そう、道の左側は道に面して北向きの構えとなるんですね。


さて漆と言え漆器が英語で『japan』というように
日本の特産だったのですが、現在は99%を輸入に頼っており……」


という感じです。こういうのを、日々変わる時事ネタも加え、しかもバスの運航状況とリアルタイムで調整しながら。


そんなこんなで興味深かったのですが、私としては職業柄この案内ガイドの脚本をどういう風に書かれたかが気になるところ。やっぱプロのライターが周航コースを渡されて、ロケハンをし、3mの車高から見えるであろうものをリストアップしながら書いたのかなぁ、とか。降車した後、ガイドさんに声をかけて聞いてみたのですが、やっぱり最初に脚本は用意されていたんだけど、時事ネタを加えたりとか、渋滞に引っかかった時の引き延ばしのネタを挿入したりとか、ガイドさんがアレンジを加えて使用しているとのことでした。うーん、道場で基本を学び実戦で練った実戦剣法のようですな。世の中にはいろんな「文章を創出する」仕事があるものですな。自分だったらいくらならこの仕事を受けるだろう?


ちなみに秋葉原ドンキホーテ前を通った時のガイドは以下のようなものでした。



「左手をご覧ください。
今見えて来ましたドンキホーテビルの8階が
現在大人気となっておりますAKB48のAKB劇場がございます。


AKB48は2005年にデビューして以来、 「会いに行けるアイドル」をテーマに活動を続け、現在でも毎日のように劇場でライブ公演が開かれております。ただし国民的人気となった現在では人気メンバーは多忙を極め、例えば総選挙1位の前田敦子さん、月9ドラマに出演中の大島優子さん、らが出演するのは今や2ケ月に1回、あるか、ないか、といったところだそうでございます」