えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ガリガリ君

昨日見た『人生を変える1分間の深イイ話』ではキャラクター話特集だったのですが、そこで赤城乳業のアイスキャンディー「ガリガリ君」についてのエピソードが紹介されていました。概要はこうです。


・当初商品名称は「ガリガリ」だったが、社長の鶴の一言で「君」がつけられた。


・社長が社員に「ガリガリ君」のキャラクターを描かせた


・発売から20年経って、消費者調査の結果を分析してキャクターをリニューアル。
不評だったガリガリ君の歯茎を隠し、外部デザイナーを起用し3D化したところ年間売上が2000万本も伸びた


これが満場一致の「深イイ話」になってたんですけど、ちょっと待てと。これそんなに深いかぁ?



キャラクターの力で2000万本も売り上げアップ!と言えば聞こえはいいんですけど、これって要するに過去10年間はその分の利益を取り損なってたってことでしょう。多分、プロのキャラクターデザイナーに頼んでいれば最初から歯茎は隠していたと思うんですね。そこにあったはずの売り上げ2000万本、単価50円としたら10年で累計100億円。ワンマン社長が「絵なんて誰でも描けるわ」と、目先の50万円をケチって100億円を取り損なっているという失敗談じゃないですか。


もちろん結果としてキャラクターデザインの力を伝える話ではあるんだけど、あきまんなり、カトキハジメなり、一流のキャラクターデザイナーと多少なりと仕事で接してきた身としては、そういったプロフェッショナルの職能を否定したあげくに案の定、損した話であって、スタジオの空気にあったような、赤城乳業のお手柄話ではないと思うんですよねぇ。「君」をつけたのは良かったと思うけどね。