えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ドラマ『火車』

宮部みゆきによりミステリ小説の、1994年版から2回目のドラマ化です。1994年版がそのままのドラマ化であったのに対し、10年以上経た今回は’90年代初頭を舞台とした時代劇でもあったんですよね。背景に映り込むちょっとしたエキストラのファッションや、ロケの街並み、しばしば登場する公衆電話、飲み屋のBGM、乗る新幹線の型式など、細かい部分まで気を遣って「’90年代初頭」という時代を再現していました。濃い目の配役とちょっとだけ時代がかったセリフ回しもあって、リメイク版『白い巨塔』ほどではないにしろ、大仰な大作感が物語の重厚さを醸し出していました。


最初はヒロイン役が佐々木希と知って「大丈夫かいな」と思ってたんですけど、これって行方不明になったヒロインを捜す話なのでヒロイン自体はずっと出て来ないんですよね。彼女の行方を追う過程で、バブル時代の闇を覗き見、その中から浮かんでは消える謎の女の横顔。彼女を中心に物語は回るんだけど、結局セリフは一つもないという役所で、そういう一種のイコンとして用いるとなると、佐々木希のビジュアルはやはり圧倒的な逸材でした。