えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

変わる景色に

私が住んでいる街で、以前からあったコンビニと駅との中間地点に新しくコンビニができたんです。駅からの人の流れの上流側にできたわけですね。そしたら、それから3ケ月もしないうちに前からあった方のコンビニが閉店しました。やっぱこれは客足が遠のいたからなんでしょうか。


それにしても早い撤退でした。まぁ、コンビニという業種の場合、値段や品ぞろえは店によってさほど代わり映えがしないわけですから、地理的要因はかなり支配的に作用します。また経営母体は大手フランチャイズなわけで一店舗の趨勢にはこだわりはないでしょうし、店のオーナーだって特にコンビニを開くことが夢だったわけではないでしょう。だからこそ赤字路線と見るやさっさと店を畳むことができたのかもしれません。


だけどこれが長年の夢を叶えて、ようやく自分の店を持ったパン屋さんとかだったらどうです? もちろん、パン屋の場合は地理的要因はコンビニ業ほどには決定的要素ではないでしょう。だけど大きなダメージではあるはずです。仮に売り上げが不振だったとしても、

「スタンプカードを作れば」
「新商品を開発してそれが人気になれば」
「値下げキャンペーンをすれば」

そんな風に「なんとかなるかも」という目があるからこそ、撤退の決断を下すのは難しい。自分の夢をかけ、初期投資をし、しかも自分にまったく非はない状態で、撤退という決断を容易に下せる人なんていないでしょう。結果として客足が回復できれば幸せな物語なんだけど、もしかしたら決断を下すのが長引いた分、損益だけが膨らんでにっちもさっちもいかなくなってから店を畳むことになるのかもしれない…。


街の景色が変わる時には、いろいろと他人の人生の断片が垣間見えて、興味深いです。ちなみにこういうこと考えてると、自分のお店を持つことに比べたら、やっぱり「会社員」というのは安定した仕事なんだろうなぁと思いますね。や、もちろんどんな会社かにもよるし、終身雇用が保障されていた昔ほどではないのでしょうが。