えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

 
『ボックス!』 百田尚樹太田出版


アホでヤンチャだがボクシングの天性の才を持つ鏑矢と、優等生でいじめられっ子だった木樽。幼馴染の二人が織り成すスポーツ青春バディもの。


先の『輝く夜』でも見せたように、相変わらずこの作者は王道の筋立てをまっすぐ描きます。ただ、今回は面白くないわけではないんだけど、人物構成が松本大洋による『ピンポン』にあまりに似過ぎている気がしました。視点役の副顧問女教師とか女子マネがいるにしても、「ヤンチャなガキ大賞、努力型優等生、超高校級のライバル」というメインの3者は関係性や性格までほぼ同じ(終わり方まで似てる)。王道だから似るのは仕方がないにしても、『ピンポン』が題材からして一ヒネリしていることを考えれば、ボクシングでこれってのは後発なのに王道パターンそのまんま過ぎやしないかと。しかも試合シーンの躍動感や迫力は『ピンポン』の方が上なので、どうしても見劣りしてしました。