えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

『夜を守る』 石田衣良双葉社文庫)
幼馴染の3人+擁護施設に住む「頭がスローな」天才の4人組による、アメ横の夜を守るボランティア・ガーディアンの物語。『アキハバラ@deep』の時もそうだったけど、この作者の「障害とか抱えてても分け隔てなく接してます。マイノリティに壁を感じないんですオレたち」的なものをキャラクター造形に利用してる感じはちょっと鼻に着く。


全体には良い話なんだけど、要所要所で社会に対する意識・公共意識の及ぶ範囲が狭いことが気になった。目の前の人間を温情で見逃すのはいいけど、それによって犯罪者グループが放置されちゃうじゃん!みたいな、目に見える範囲では事件は解決したつもりになってるけど、社会的には全然解決してないみたいなシチュエーションが多過ぎる(しかも社会的解決のチャンスを公共意識の低さによってみすみす逃してる)。まぁ、ヤクザをやたらいい人に描きたがるところも含めて、それはこの作者の根本的な傾向なので今さら言っても始まらないんだけど。