読了
『九つの殺人メルヘン』 (鯨統一郎:カッパ・ノベルス)
9つあるとされるアリバイ・トリックのパターンを題材としたミステリ9編。加えてすべて世界の童話をモチーフとしている。
とある日本酒バーでクダを巻く中年男3人。そのうちの一人である刑事が事件の概要を語り、横で聞いていた美貌の女性・桜川さんが、その話から真相を言い当てるというフォーマットをくり返す。謎解きを楽しむのにはこれくらいのボリュームの短編がいいですね。なぜか日本酒と料理に関する蘊蓄も多い。
<以下、ネタバレ注意>
●『ヘンゼルとグレーテル』
死亡時刻の偽装
●『赤ずきん』
同時に行われたと思われていた二つの殺人が別
●『ブレーメンの音楽隊』
設置型ギミックによる遠隔犯行
●『シンデレラ』
死体の移動によるアリバイ発生
●『白雪姫』
推定された交通機関・移動方法によるアリバイの錯誤
●『ながぐつをはいた猫』
写真に写った時計の表示偽装
●『いばら姫』
遠距離からの自殺誘導
●『狼と七匹の子ヤギ』
証人を騙して偽証をさせた場合
●『小人の靴屋』
これはどういうフォーマットなのかよくわからなかった